2021 Fiscal Year Research-status Report
敗血症における免疫不全の原因は制御性B細胞か?: PD-L1発現との関連
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19K18327
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
松本 紘典 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (70772531)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 敗血症 / IL-5 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の研究の目的は、敗血症病態における免疫反応の解明、特に免疫抑制機構の把握としている。これまでの経過で、盲腸結紮穿孔(CLP)による腹膜炎敗血症モデルを用いて、IL-5 KOマウスはWTマウスに比べてCLP後の生存率が低下することを確認した。更に、WTマウスに比べIL-5 KOマウスでは、CLP後の腹腔内細菌処理能が低下していることがわかった。CLP後の腹腔内の変化を見た所、IL-5産生が確認され、IL-5 Venus KIマウスを用いて産生細胞を調べた所、CD4+CD8-細胞とILC-2が産生細胞として捉えられた。今後、IL-5が敗血症病態にもたらす影響・病態について、腹腔内マクロファージの貪食能やPD-1・PD-L1の発現との関連、肺などの臓器障害への影響などについて評価していき、病態改善に向けた治療法について検討していく予定である。IL-5との敗血症病態についての研究は少なく、その産生細胞や意義についての詳細は不明である。近年、新型コロナウイルス感染症の重症化のメカニズムにIL-5の関連も指摘され、重症病態ではこれまでの画一的な反応でない複雑な免疫応答が起こっていることが示唆されている。本研究はこの重症敗血症病態における複雑な免疫応答の解明につながるものであると考えられる。また、敗血症を含む急性病態について臨床データの解析も併行して行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大学病院内での研究のため、新型コロナウイルス感染症流行に伴い、救急医として重症コロナ症例の対応を行わなければならなかったことや実験施設自体の研究停止指示、研究機器や資材の搬入の遅れなどにより、当初の予定より研究の進行は遅れを生じた。現状、流行自体は持続しているが、重症症例の増加は抑えられており、研究の再開が可能となり、停止期間中に当面の必要な資材は確保できたため、今後、研究遂行可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実験で敗血症病態において、IL-5がその病態に関連していることがわかり、その産生細胞も確認した。今後、治療へと繋げていくために、IL-5がどのように敗血症病態に影響しているかを検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
大学病院内での研究のため、新型コロナウイルス感染症流行に伴い、救急医として重症コロナ症例の対応を行わなければならなかったことや実験施設自体の研究停止指示、研究機器や資材の搬入の遅れなどにより、当初の予定より研究の進行は遅れを生じた。現状、流行自体は持続しているが、重症症例の増加は抑えられており、研究の再開が可能となり、今後研究遂行可能となった。今後、研究の継続と共に、国際学会での発表や論文報告を行っていく予定である。
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