2020 Fiscal Year Research-status Report
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)における酸素ナノバブル経静脈投与の有効性の検討
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19K18332
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
吉田 圭佑 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00769573)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アセチルコリン受容体 / ドパミン受容体 / POCD |
Outline of Annual Research Achievements |
ドパミンD2受容体およびアセチルコリンM1受容体は、術後の認知機能障害に関連している可能性がある。そこで、全身麻酔や鎮静に使用されるデクスメデトミジン、プロポフォール、ミダゾラム、セボフルラン、および亜酸化窒素が、ラット脳におけるドパミンD2およびアセチルコリンM1受容体の発現に影響を与えるかどうかを調査した。36匹の雄のWisterラット(体重 192 ± 42 g, 5~9週齢)を6つのグループに分けた(各グループでn = 6、麻酔薬を投与する5つのグループとコントロールグループ)。デクスメデトミジン0.4 mcg/kg/min、プロポフォール50 mg/kg/h、ミダゾラム25 mg/kg/h、セボフルラン3.3%、または亜酸化窒素75%のいずれかを4時間投与後に断頭し、大脳皮質、海馬、線条体、脳幹、小脳を採取した。次に、RT-PCRを実施して、Drd2(ドパミンD2受容体をコードする遺伝子)およびChrm1(アセチルコリンM1受容体をコードする遺伝子)の発現を調べた。その結果、脳の各領域のDrd2およびChrm1のmRNA発現に関して、グループ間で有意差はみとめなかった。つまり、デクスメデトミジン、プロポフォール、ミダゾラム、セボフルラン、および亜酸化窒素の投与によるドパミンD2受容体およびアセチルコリンM1受容体のシナプス後変化は、本研究で使用した各麻酔薬の用量で発生する可能性は低い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、RT-PCRにおいてドパミンD2受容体およびアセチルコリンM1受容体をコードするmRNAの発現量に、各麻酔薬の投与による有意差を認めなかったため、それ以降に予定していたドパミンD2受容体およびアセチルコリンM1受容体のタンパク発現に関する実験は行わないこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、RT-PCRにおいてドパミンD2受容体およびアセチルコリンM1受容体をコードするmRNAの発現量に、各麻酔薬の投与による有意差を認めなかったため、それ以降に予定していたドパミンD2受容体およびアセチルコリンM1受容体のタンパク発現に関する実験は行わないこととした。
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Causes of Carryover |
令和2年度中に予定していた追加実験をすべて終えることができなかったため、残額は残りの実験を行うために使用する予定である。
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