2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of New Infection Marker by Neutrophil Migration Motility Analysis using Microfluidic Assay and Application to Burn Injury
Project/Area Number |
19K18335
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
大田原 正幸 杏林大学, 医学部, 助教 (70712537)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 好中球遊走能 / DAMPs / バイオマーカー / 熱傷 / PAMPs / 感染 / SIRS |
Outline of Annual Research Achievements |
重症熱傷において二次的敗血症の罹患は救命率を大きく左右するが、重症熱傷による侵襲から容易にSIRSをきたすことからその早期診断は現在でも容易ではない。我々は、好中球の自発的な遊走能(Spontaneous Neutrophil Motility; SNM)をマイクロ流路を用いて評価するシステムを構築し、それが救急患者における敗血症早期診断のための新規バイオマーカー足り得る可能性を見出した。本研究では重症熱傷患者においてマイクロ流路を用いたSNMの測定が二次的敗血症の早期診断の新規バイオマーカー足り得るかを調査することで、重症熱傷患者の敗血症治療における適切な治療介入と救命率の向上を目的とする。 2019年度までにタイムラプス用小型顕微鏡など必要物品を揃え、同年度より症例集積を開始し2020年度も継続したが、COVID-19パンデミックの影響で重症熱傷患者受け入れが大幅な制限を受け、集積症例数は11例であった。それぞれの症例より複数回血液検体を採取しており、1)マイクロ流路デバイスを用いた定時的な好中球のSNM測定と解析、2)既存の検査項目(SOFA、qSOFA、白血球数、CRP、その他バイタルサイン)との比較、3)致死率、在院日数など予後マーカーとの相関比較、などを評価項目として解析している。中間報告では受傷直後(搬送時)と初回手術翌日を比較すると、既存の感染バイオマーカーは上昇を認めるものの、SNMについては有意な変化を認めていなかった。これはいわゆる非感染性の高炎症状態において、既存のマーカーは上昇するため感染状態との判別が困難であるが、SNMは非感染性高炎症状態では活性化せず、感染性の場合のみに活性化する動物モデルの結果に沿う内容であり、更なる解析にて人体でも高炎症状態における感染マーカーとして有用である可能性が示唆される。
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