2022 Fiscal Year Annual Research Report
院外心停止例におけるリアルタイム脳循環モニタを指標とした胸骨圧迫法の有用性
Project/Area Number |
19K18351
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木口 雄之 京都大学, 医学研究科, 研究員 (30724380)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 病院外心停止 / 心肺蘇生 / 近赤外線分光法 / 病院前救急医療 / 脳循環 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年より病院外心停止例における近赤外線分光法モニタで得られる脳循環と胸骨圧迫の質との関係をみる前向き観察研究を開始した。PILOT Studyを2019年4月1日より開始した。PILOT Studyでは①煩雑な心停止現場で解析可能なデータ測定が可能であるか②屋外で測定で太陽光の影響を受けないかといった研究のfeasibilityを評価し、十分解析可能であることを確認した。その後、2020年4月からCOVID-19感染症拡大により、研究を安全に遂行することが困難な状況と判断し、一度研究を中断した。その間、COVID-19流行下でも安全に研究ができるように議論を尽くした。その結果、感染防御についてもプロトコルに明記することで、合意が得られた。また、胸骨圧迫の質を測定する加速度センサー付き除細動器はZOLL Medical Coから提供を受ける予定であったが、アメリカ本社との契約締結に時間を要したことと、COVID-19感染拡大の影響で実機の準備に時間を要することが判明し、まずはNIRO機のみで試験を開始することとし、2021年1月22日から試験を開始することができた。2023年3月末の時点で計255例の症例登録を得た。データを確認したところ、エラー割合が8割以上含まれ解析対象外となるデータは25%であり、測定環境が屋外かつ煩雑な心停止現場においても75%の症例で解析に耐えうるデータを得ることが出来た。また加速度センサー付き除細動器が年度後半に到着し、2022年3月15日から胸骨圧迫の質の同時測定も開始することができた。255例中68例において胸骨圧迫の質も同時に測定できた。そのうち解析可能な症例は46例であった。全区間を対象にNIROで測定した脳血流指標(O2Hb)と平均の胸骨圧迫の深さとの相関を解析した。Spearmanの順位相関係数で0.06(p=0.106)と相関は認められなかった。
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