2023 Fiscal Year Annual Research Report
炎症とミトコンドリア機能障害のクロストークに着目した急性脳症の包括的病態解明
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19K18353
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
冨岡 和美 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (60792017)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 急性脳症 / 熱性けいれん / 小児 / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
急性脳症や熱性けいれん(FS)における発症後72時間以内の炎症性サイトカイン、抗炎症性サイトカインの経時的変化の検討を引き続き行った。熱性けいれんと急性脳症の症候群に分類し検討したところ、発症後 24 時間以内にピークに達した 13 種類のサイトカイン値は、一般的に AESD よりも HSES の方が高い傾向にあった。 IL-1RAレベルはHSESだけでなくAESDおよびFSでも発症24時間後に増加したが発症後24時間では、IL-1RAおよびIL-10レベルは両方とも、AESDおよびFSよりもHSESで高かった。すなわち急性脳症と熱性けいれん両者において多くのサイトカインが発症24時間以内にピークを認め、IL-1RAおよびIL-10といった抗炎症性サイトカインにおいては予後が最重症ののHSESとそれ以外のAESDや熱性けいれんと差を認めた。さらに急性脳症のうちAESDと熱性けいれん(FS)におけるけいれん発症からの時間経過に伴うサイトカインの発症6時間までの変化を調べた。対象患者は17例。年齢[中央値(最小値, 最大値)]は27ヶ月(10, 104)。けいれん持続時間は7分(1, 215)。けいれん発症から検体採取までの時間は86分(8, 297)。IL-1β値は、けいれん持続時間と有意な正の相関を示し (r=0.615, p<0.01)、けいれん発症から検体採取までの時間とも有意な正の相関を示した (r=0.575, p=0.02)。IL-1Ra値は、けいれん持続時間(r=0.236, p=0.36)とけいれん発症から検体採取までの時間(r=0.279, p=0.28)においてともに相関を認めなかった。またけいれん発症6時間以内に、発熱患者(昨年度のデータより806pg/ml)より高値である1500pg/ml以上を示す症例が多かった。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] 発熱を伴う30分以上のけいれん性てんかん重積状態における転帰不良関連因子 前向き多施設コホートでの検証2023
Author(s)
老川 静香, 徳元 翔一, 山口 宏, 冨岡 和美, 西山 将広, 柏木 充, 高梨 潤一, 高見 勇一, 豊嶋 大作, 服部 有香, 丸山 あずさ, 本林 光雄, 永瀬 裕朗
Organizer
第65回小児神経学会学術集会
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[Presentation] 出血性ショック脳症症候群をきたしたDravet症候群にSCN1Aのイントロンに新規の21塩基欠失を認めminigene解析を実施した1例2023
Author(s)
花房 宏昭, 山口 宏, 老川 静香, 徳元 翔一, 冨岡 和美, 西山 将広, 長坂 美和子, 近藤 秀仁, 森貞 直哉, 松尾 雅文, 野津 寛大, 永瀬 裕朗
Organizer
第65回小児神経学会学術集会
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