2019 Fiscal Year Research-status Report
腸管上皮細胞における透過性制御機序の解明と臨床への応用
Project/Area Number |
19K18354
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
尾迫 貴章 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 講師 (30573844)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 透過性 / タイトジャンクション / 水素ガス / 虚血再灌流傷害 |
Outline of Annual Research Achievements |
Caco-2細胞は、10%-FBS DMEM培地を用い10cm dishに播種した。3~4日毎に培地交換を行い80~90% confluent monolayerとなった時点で継代を行った。継代数5.5×10※5 cells/10cm dishで、7日後にviability 90%程度を維持可能であった。尚、transwell上のconfluent monolayerの確認はMillicell ERS-2(Millipore)によりapical側とbasal側の電気抵抗値を測定することで確認し、播種後21日までは数日毎に電気抵抗を測定し、また染色により腸上皮化生を確認した。transwell播種後21日の細胞層を透過性検討用検体とし、上記により作成手法を確保した。同検体を用い、虚血再灌流モデルの構築を進めた。Caco-2細胞をポリエステル膜細胞培養インサート transwellのapical底に播種しchamber内 に100μLの培養液を充填し培養。同時にbasal chamber内に600μLの培養液を充填し培養した。虚血再灌流モデルとしての虚血状態はチャンバー内低酸素(1%)と無グルコース培地置換により、再灌流は通常酸素と グルコース含有培地に戻すことで再還流状態とし、虚血再灌流モデルとする。7ppmに調整し た飽和水素培地をapical chamber内に充填する。コントロール群は通常培地とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
虚血時間を臨床にて遭遇する1ないし2時間に設定して虚血再灌流を実施するも、TEERの低下は両設定時間の負荷にても認めなかった。Caco-2細胞のviabilityは非常に高いと推測され得るため、設定時間を変更しデータ収集をおこなっているところである。つまり、モデル作成に時間を要するため、当初の計画からやや遅れている現状にある。 しかし検討課題はすでに抽出完了しており、モデル作成さえできれば他の実験・検討については滞りなくすすめることが可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
予備実験のデータ解析はまもなく終了可能である。よって、翌年度中旬頃には予定通りの進行に修正可能である。
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Causes of Carryover |
クリーンベンチ・インキュベーターを購入予定で予算形状としていたが、両者ともに他研究室からの譲渡により入手できたため余剰となった。しかし前述のように実験計画そのものは遅れており、そのために必要な物品・資料が生じることは明白である。次年度使用額は、それらの用途に使用するため必要不可欠である。
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