2021 Fiscal Year Research-status Report
精巣捻転症に対する希少糖による新規治療法の開発-虚血再灌流障害の抑制-
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19K18355
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
形見 祐人 香川大学, 医学部, 助教 (50791224)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 精巣 / 精巣捻転 / 虚血再灌流障害 / 次世代シーケンサー / 網羅的遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの研究により、1時間の精巣虚血とそれに続く24時間の精巣再灌流によって有意な精巣組織の障害が生じることが分かった。また、新しい取り組みとして、sham群と虚血再灌流群の組織サンプル用いて次世代シーケンサーによる網羅的遺伝子解析を行ったところ、酸化ストレス、アポトーシス、精子形成に関連する遺伝子群の発現量が有意に変動していることが分かった。 当該年度は、まず希少糖Dアロースの精巣虚血再灌流障害に対する治療効果検証のためのラットモデル作成を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の流行および所属施設の動物実験施設改修工事の影響で、実験および研究活動に制限が生じたことにより、当初予定していた行程を十分に実施することができなかった。 そのため、前年度に新たに見出すことができた精巣組織の網羅的遺伝子解析における遺伝子発現変動を更に掘り下げた研究を追加で実施した。具体的には、酸化ストレス、アポトーシス、精子形成に関連するpathwayに含まれる遺伝子群の中から、特に重要な遺伝子を抽出し、それらに対してRT-PCR法による発現定量を行った。その結果、sham群と虚血再灌群の間に有意な発現量の差をみとめた。 当該年度の研究により、虚血時間が1時間という短い負荷条件であっても、その後の再灌流障害により遺伝子レベルで精巣に影響を生じる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行および所属施設の動物実験施設改修工事の影響を受け、当初の計画内容を十分に遂行することができなかったが、途中経過で得られた精巣捻転症モデル動物における網羅的遺伝子解析の結果を更に掘り下げることで、新たな知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究により、虚血再灌流障害によって生じた精巣組織の遺伝子発現変動が不可逆的か否かを検証したい。また、今回十分に実施できなかった希少糖投与モデル動物の作成についても引き続き継続 していく。
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Causes of Carryover |
当初の計画に遅延が生じており、予定よりも実験・研究にかかる費用が少なくなった。また、新型コロナウイルス流行の影響をうけ学会の多くがWeb開催となり、出張にかかる費用の支出が減少した。
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Research Products
(2 results)