2019 Fiscal Year Research-status Report
老化による好中球機能低下と易感染性の関連、その改善に関する研究
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19K18363
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
栗原 智宏 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (40338174)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 老化 / 好中球 / 易感染性 / 敗血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画に記載を行ったメトホルミンを用いて各実験を実施したが、予想された敗血症抵抗性を確認する結果は得られなかった。そのため、代替薬として老化研究に対して多くの報告が認められるnicotinamide mononucleotide(NMN)を使用することで実施計画に記載した効果が得られる可能性を考え、NMNを用いて各実験を遂行した。 ①好中球遊走能実験に関して:3ヶ月齢と12ヶ月齢のラットから好中球を分離し、好中球遊走能をmicrofluidic deviceを用いて比較検討した。老齢ラットでは好中球遊走能が低下しており、NMNを投与することで、その機能低下を有意に改善する効果が認められた。 ②敗血症抵抗性の評価(生存実験)に関して:老化マウスにNMNもしくは溶媒を、経管で1週間投与した。1週後に盲腸結紮による敗血症ストレスを追加し生存率を比較検討し、有意にNMN投与群で生存率が改善することを確認した。 ③好中球内の代謝状況を確認するため、当初の研究実施計画に記載した方法より網羅的に解析を行うため、メタボローム解析を施行することとした。3ヶ月齢、12ヶ月齢のラット、NMN投与を行った12ヶ月齢ラットから、それぞれ好中球を分離しメタボローム解析の予備実験を行った。検体数を増やすことによって、代謝状況における有意な差が得られると考えられ、実験を継続中である。 以上の、結果をまとめて研究成果の発表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画において示したメトホルミンによる効果は生存実験によいて否定的であった。しかし、代替薬として、nicotinamide mononucleotide(NMN)を投与することで、好中球機能遊走能の改善と生存改善効果を確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
好中球のメタボローム解析をすすめており約半年を要する見込みである。この結果を加えて本研究の最終的な研究発表を行う。
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