2021 Fiscal Year Research-status Report
抗凝固作用の低いヘパリン誘導体の頭部外傷に対する治療薬としての開発応用
Project/Area Number |
19K18366
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
長田 雄大 東京医科大学, 医学部, 兼任講師 (30627427)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 頭部外傷 / ODSH / ヘパリン / 頭部外傷二次損傷 / 血液脳関門 |
Outline of Annual Research Achievements |
未分画ヘパリンや低分子ヘパリンが頭部外傷部位への好中球浸潤を抑制し、脳浮腫の減少、神経予後の改善に寄与することを示してきた。さらに、抗凝固作用を抑えたヘパリン誘導体:2-O, 3-O Desulfated Heparin (ODSH)でも同様の効果を示した。出血リスクの少ないODSHは頭部外傷の治療薬となると期待できる。本研究では、既に得ているマウス脳のパラフィンブロックを用いて、ODSHの頭部外傷後に対する作用機序の解明し、治療薬としての開発応用を目的とし、研究をおこなっている。 マウスは陰性対照群(非外傷+生食投与)、陽性対照群(外傷+生食投与)、高用量ODSH群(外傷+高用量ODSH投与)、低用量ODSH群(外傷+低用量ODSH)の4グループに分けられており、受傷後2日後に組織固定したシリーズと17日後のシリーズの2シリーズ分のマウス脳のパラフィンブロックを得ている。これらのマウスの脳のパラフィンブロックを8microの薄さに切片化を終え、Ly6Gを用いた、好中球の脳内浸潤を観測するための試薬を購入し、免疫染色の準備を終えた。まず、Ly6Gを用いて、脳内の好中球の浸潤を評価し、その後は免疫染色を用いて、プロテアーゼ活性型受容体(PAR-1)を測定し、それぞれの比較検討や、HMGB1や炎症性サイトカイン、vascular endothelial growth factor-A(VEGF-A)、アストロサイトなどを測定する。同様に免疫染色し、HMGB1やサイトカイン、vascular endothelial growth factor-A(VEGF-A)、アストロサイトなどを測定し、ODSHによる抑制の有無などを確認する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の影響もあり、研究場所である都内への移動への制限と臨床が多忙になり遅れてしまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度中にLy6Gを用いて、免疫染色し、好中球の脳内浸潤を観測する。マウスは陰性対照群(非外傷+生食投与)、陽性対照群(外傷+生食投与)、高用量ODSH群(外傷+高用量ODSH投与)、低用量ODSH群(外傷+低用量ODSH)の4グループに分けられており、受傷後2日後に組織固定したシリーズと17日後のシリーズの2シリーズ分のマウス脳のパラフィンブロックを得ている。それぞれ約10前後のn数である。それぞれのシリーズでの比較を行い、ODSHの外傷後の好中球脳内浸潤のデータを得る。得られたデータを解析し、比較検討をする。その後は免疫染色を用いて、プロテアーゼ活性型受容体(PAR-1)を測定し、それぞれの比較検討や、HMGB1や炎症性サイトカイン、vascular endothelial growth factor-A(VEGF-A)、アストロサイトなどを測定する。同様に免疫染色し、HMGB1やサイトカイン、vascular endothelial growth factor-A(VEGF-A)、アストロサイトなどを測定し、ODSHによる抑制の有無を確認などを予定している。
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Causes of Carryover |
研究助成金に関しては国内外の学会参加費を考えておりましたが、COVID-19の影響もあり、中止いたしました。 その後、多忙にもなり、他の諸経費(医学書等)を購入する機会がなく、予定経費を消費することができませんでした。 情勢が落ち着き次第、研究を再開し、学会参加費、諸経費の購入を検討しております。
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