2023 Fiscal Year Research-status Report
敗血症時の各臓器におけるNETsの関与と新規治療戦略
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19K18369
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
加藤 由布 藤田医科大学, バイオリソース室, 技術員 (50773412)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | NETs / 敗血症 / リコンビナントトロンボモジュリン(rTM) / 臓器障害 / DIC |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症は世界中の国や地域において主要な死因となっており、有効な治療法の確立が急がれている。敗血症とは、細菌・ウイルス・真菌が引き起こす感染症による全身炎症に臓器障害が加わった病態である。重症化し、多臓器不全や播種性血管内凝固症候群(DIC)に移行すると死に至る。多臓器不全の病態として、壊れた組織や炎症細胞から放出される細胞外ヒストンによる内皮細胞の傷害や血小板凝集がその原因ではないかといわれている。近年、好中球の新たな機能であるNETs(好中球細胞外トラップス)が注目されている。NETsは、血小板により活性化された好中球が放出するヒストンやDNAを含んだ網目状の構造物で、病原体を捕捉・殺菌し、病原体が全身に広がるのを防いでいる。重度の感染症では、過度のNETs形成が臓器不全の原因ではないかと考えられている。本研究の目的は、敗血症による過剰なNETs形成が原因で、多臓器不全に移行するのを防ぐのにrTM(リコンビナントトロンボモジュリン:rTM)が有効であることを基礎と臨床の両面から明らかにすることである。本年度までの結果として、敗血症モデルマウスの、肝臓・肺・腎臓でのNETs形成とrTMの効果を明らかにすることができた。血管内皮障害がどの部位で起きているか確認するために、各臓器をランタン染色し、電子顕微鏡でグリコカリックスの観察を行うために条件検討を行っているが、まだプロトコールの確立まで至っていないので引き続き次年度も検討を行う。また、NETsだけではなくEETs(Eosinophil extracellular traps)が血管内皮障害を助長している可能性があるので、好酸球顆粒中に含まれるMajor Basic Protein (MBP)を測定する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年3月~2022年3月、2022年9~2023年9月まで、産休・育休を取得したため研究が遂行できない期間が2年あったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、血管内皮障害がどの部位で起きているか確認するために、各臓器をランタン染色し、電子顕微鏡でグリコカリックスの観察を行う。また、血清中のNETs形成量の定量的測定を行う。また、NETsだけではなくEETs(Eosinophil extracellular traps)が血管内皮障害を助長している可能性があるので、好酸球顆粒中に含まれるMajor Basic Protein (MBP)を測定する。
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Causes of Carryover |
産休・育休中のため、研究費が予定通り使用できなかった。来年度は今年度予定していた研究を進める。
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Research Products
(1 results)