2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of a new sense oligonucleotide drug targeting inducible nitric oxide synthase for sepsis model rats
Project/Area Number |
19K18370
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
中竹 利知 関西医科大学, 医学部, 助教 (40779401)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 敗血症 / センスオリゴ / 肝細胞 / 誘導型一酸化窒素合成酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)iNOSセンスオリゴ(SO1)の改良 SO1の核酸修飾及び肝臓細胞集積能が期待される修飾を搭載し、肝臓に取り込まれやすく改良したセンスオリゴ(LX-A0049と命名)を開発して効果検討中である。LX-A0049(8 mg/kg体重)はSO1(8 mg/kg)に対して効果が強く現れる可能性が高く、まず低用量(4 mg/kg)の効果検討をラット肝障害敗血症モデルにおいて行った。しかしLX-A0049の効果は認められなかった。ガラクトサミン(GalN)は肝臓以外の臓器にも傷害をきたすため、LX-A0049の効果を認めなかったのは、肝臓集積による肝特異性が高くなったと予想された。そこで、肝臓でのLX-A0049の効果を検討するため、肝臓のみを切除し肝不全とした70%肝切除後敗血症ラットモデル(PH/LPS)を用いて検討を行った。70%の肝臓切除後にLPS(25 μg/kg)を投与して敗血症状態を作成した。LPSと同時にSO1(8 mg/kg)ならびにLX-A0049(4 mg/kg)を投与して72時間生存率を確認し、LX-A0049の生存率の延長効果を優位に認めた(未発表データ)。 (2)他の新規センスオリゴの開発 TNF-α mRNAに対するセンスオリゴを作成した。ラット初代培養細胞でのiNOSやTNF-αなどの標的候補遺伝子のmRNA量の増減を指標として効果を判定して、最も効果のあった配列のセンスオリゴを確認した。最適化を行ったTNF-αに対するセンスオリゴ(8 mg/kg)を、ラット肝障害敗血症モデルに投与し生存実験を行ったが、改善傾向は見られたものの有意な効果を認めなかった。またSO1とTNF-αのセンスオリゴをカクテル投与するも、こちらも効果は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1)iNOSセンスオリゴSO1の改良に対し、肝細胞に取り込まれやすく化学修飾(修飾の結果、低用量でセンスオリゴが効くと予想する)した改良型を作成すること、そして(2)「生存率をさらに上げる遺伝子」のmRNAをターゲットとした新規センスオリゴの開発に関して、新たな遺伝子の同定に対して時間が必要であったため、進行がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
SO1の単独投与では、肝障害敗血症モデルラットでは58%、そして肝部分切除後敗血症モデルラットでは33%しか生存率が改善していない。そのため以下の検討を行っていく。 (1)SO1とメカニズムの異なる薬物を併用によって、抗炎症効果を相乗させることによって生存率の押し上げが可能か検討する。 (2)異なる遺伝子に対するセンスオリゴが、ラット初代培養細胞において強い抗炎症効果を認めたため(未発表データ)、今後肝障害敗血症ラットモデルにおける効果を検討する予定である。 (3)引き続き、iNOSセンスオリゴ(SO1)の改良を行っていく。
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Causes of Carryover |
計画の目処は立っているものの、2019年度の研究は進行が遅れている。そのため次年度使用額が生じたが、それを前述した今後の計画(センスオリゴの合成、マイクロアレイ解析や病理学的検討など)に使用する予定である。
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