2019 Fiscal Year Research-status Report
小児における集中治療後症候群の実態調査と長期予後改善に向けたデータベースの構築
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19K18372
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
壷井 伯彦 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 手術・集中治療部, 医師 (60754455)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 集中治療後症候群 / PICS / 小児集中治療室 / PICU |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本の主要なpediatric intensive care unit; PICUを生存退室した重篤小児患者とその家族を対象とした前向きコホート研究である。PICUに入室した重篤小児患者とその家族が、退室後にどのような機能障害を残すのか、その障害がどれほどの期間持続するのか、どのような社会資源や医療ケアを必要とするのか、教育/療育環境にどのような変化が起こるのか等について調査し、小児におけるpost-intensive care syndrome; PICSの実態を把握することが目的である。 2019年度はWebアンケートの準備として、アンケートフォームを作成し、対象者へのメール配信、及びアンケート結果を収集するシステムを構築した。国立成育医療研究センターの倫理委員会の承認を得たのち、パイロット研究として2020年3月から、実際に国立成育医療研究センターのPICUに入室した重篤小児患者とその保護者を対象として、Webアンケートの運用を開始した。今後、アンケート調査を継続的に行い、順次結果を解析していく予定である。また、パイロット研究で明らかとなった課題を解決していくとともに、PICU連絡協議会に参加する全国のPICU施設に打診し、多施設研究へと展開していく予定である。 成人患者ではPICSに関する知見が集積され、さらに、「いかにPICSを減らすか、PICSの期間を短くするか」といった次のステップに研究が進んでいる。一方、小児患者では、PICSについての実態調査は世界的にみても進んでいない。本研究は、重症小児患者とその家族が抱えるPICSの実態を明らかにするという点で独創的であり、さらに成人領域と同様に、本研究結果はPICU退室後の患者およびその家族の長期アウトカムを改善させる治療法の開発など、次のステップへとつながる重要な基礎データとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Webアンケートシステムの構築に予定よりも時間を要した。また、国立成育医療研究センター単施設でのパイロット研究は開始したが、多施設研究に広げるにあたり、昨今のCOVID-19対応が障壁となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
国立成育医療研究センターでのパイロット研究を継続し、順次結果を解析していく予定である。また、パイロット研究で明らかとなった課題を解決していく。COVID-19対応が落ち着き次第、PICU連絡協議会に参加する全国のPICU施設に打診し、多施設研究へと展開していく予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度にwebアンケートシステムの維持改修費が必要であるため、2019年度分は全て使用せずに翌年度に充てることとした。
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Research Products
(1 results)