2020 Fiscal Year Research-status Report
Real-time brain functional mapping using high frequency oscillation and evoked potential
Project/Area Number |
19K18374
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
真田 隆広 旭川医科大学, 大学病院, 特任助教 (60835205)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Brain mapping / High gamma activity / Electrocorticogram / Evoked potential / Awake surgery / Attenuation |
Outline of Annual Research Achievements |
脳皮質脳波の高周波律動(HGA:High gamma activity, 60-170Hz)が脳機能局在を反映しているとされている。当研究は、従来の脳皮質電気刺激(ECS: Electrocortical stimulation)マッピングに代替できる新しい脳機能マッピング法への改良を行うためにも、HGAマッピングに影響を与え得る因子について検証を行う研究である。前年度に引き続き、症例の蓄積を行った。麻酔深度がHGAに与える影響に関しては、覚醒下開頭腫瘍摘出術において、麻酔深度が浅くなることに伴って、一次聴覚野のHGAの上昇を確認する事ができた。昨年度に引き続いて再現性のあるデータを蓄積できたと考えている。同一の掌握運動課題によるHGAの“慣れ”の現象に対する検討でも、比較的安定してHGAのAttenuation(減衰)の結果を得ることに成功している。また、硬膜下電極留置のてんかん患者に対して行った運動課題による脳機能マッピングでは、HGAのAttenuation(減衰)の有無によって、運動課題によるものと、運動課題によらない(てんかん波)ものを鑑別することができた。HGAマッピングの際に、同一課題によるHGAの“慣れ”の現象によって機能局在の判別が困難な場合には、逆にHGAのAttenuation(減衰)を確認することで、脳機能マッピングの精度を上げることができる可能性があると考えられる。また、側頭葉頭蓋底で顔認知機能における脳機能マッピングについてまとめ、HGAマッピングが従来のECSマッピングと比べても精度が高く低侵襲であることを、国際共著論文の筆頭著者として報告した。 引き続き症例の蓄積を行うと同時に、統計学的な解析および評価を行って研究結果としてまとめ、学会発表および論文掲載を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
麻酔深度および同一課題による慣れ”の現象がHGAに与える影響に対する検討については、当初想定していた症例数と比べると少ないが、比較的安定した良い結果が得られている。皮質皮質間誘発電位(CCEP:Cortico-Cortical Evoked Potential)計測を用いた脳皮質間のネットワーク診断に関する検討については、適応患者の症例数の減少もあって遅れている。近畿大学脳神経外科と協力を行い症例の蓄積を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、近畿大学脳神経外科およびオーストリアのGuger Technologies社との共同研究を継続する。症例蓄積の継続と同時に、これまで得られたデータの統計学的な解析を進めて研究結果としてまとめ、学会発表および論文掲載を行う。
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Causes of Carryover |
前年度に引き続きデータの蓄積を中心に行なっていたため想定より支出がなかった。次年度はデータの解析にもより力を入れて行うため、ハードディスクやコンピュータも必要に応じて購入を検討する予定である。新型コロナ感染症の流行に伴い、国際学会、国内学会ともに中止もしくはオンラインのみでの開催が相次ぎ、旅費の使用がなかった。流行の落ち着く程度によるが、学会参加および研究成果の発表、論文作成のための費用に当てる予定である。
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Research Products
(3 results)