2020 Fiscal Year Annual Research Report
mRNA医薬による脳梗塞後遺症機能再生-皮質機能局在可塑性の強制発現-
Project/Area Number |
19K18381
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
福島 雄大 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (40837895)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / mRNA医薬 / 神経再生 / アストロサイト / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに行った研究成果を踏まえ、主に以下の3点に関する研究を継続して行った。 ① 2016年度特別研究員DC2採択研究課題(16J04127)「ナノミセルを用いたmRNA導入による神経細胞死に対する神経保護」では、当研究室独自の技術であるナノミセル型キャリアによるmRNA医薬を用いて、脳由来神経栄養因子(BDNF)mRNAによる、虚血性神経細胞死に対する神経保護治療効果を検証し、有望な神経保護薬となりうることを示した。本年度は、投与したBDNF mRNAを発現する主要な細胞種がアストロサイトであることを詳細に追加検証し、Biomaterials誌に論文発表、東京医科歯科大学よりプレスリリースした。 ② 前年度に引き続き、血管収縮薬endothelin-1によるラット運動野皮質梗塞発症後、エサ掴み行動による前肢運動機能リハビリテーションモデルを用いて、慢性期リハビリテーションによる神経機能の改善効果を評価するための行動解析を行った。統計学的解析を行うために動物個体数を増やして、継続的に行動解析を行った。 ③ 上述の血管収縮薬endothelin-1によるラット運動野皮質梗塞モデルにおける、神経機能改善に関与すると考えられるグリア細胞の反応性変化の、発症急性期から慢性期における経時的な推移の解析実験を行った。アストロサイト、マイクログリアの反応性に関わる遺伝子の発現変動をRT-PCR法により定量評価し、各グリア細胞が、脳梗塞発症急性期から慢性期にかけて示す固有の反応性変化の差異を明らかとする、有望な解析結果が得られた。
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