2023 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of nerve conduction and hardness factor of brain tumor : Development of function-sparing surgery with safety method
Project/Area Number |
19K18397
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
岩楯 兼尚 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (70566554)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳腫瘍の硬さ / 脳腫瘍の電気伝導 / ハプディックセンサー / 硬さセンサー / 神経伝導速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳腫瘍手術の際に、手術の難易度とリスクに関わる脳腫瘍の硬さ測定装置、脳腫瘍の神経伝導速度の測定装置の開発を目指した。硬さ測定装置は、共同研究者である日本大学工学部・尾股定夫 元教授、ピーアンドエム社と合同で「触覚センサー」(Haptic sensor)を開発した。また神経伝導速度の測定装置は、ユニークメディカル社と合同で開発を行った。最終年度と研究機関全体を通して得られた研究結果として、脳腫瘍の硬さは腫瘍摘出後、経時的に軟化していく傾向があることが判明した。また摘出した同じ腫瘍内においても測定部位の違いによって硬さも異なり、脳腫瘍の硬さは均一でないことがわかった。腫瘍の硬さ測定は、髄膜腫、神経膠腫に対して行い、髄膜腫では腫瘍塞栓術を行い壊死に至った領域が周囲と比べて軟化している結果を得た。神経膠腫ではより悪性度の高い腫瘍組織の硬さが低い傾向であった。脳腫瘍の硬さと組織学的構造変化の検証を光学顕微鏡で行った。HE染色では、腫瘍の硬さと組織学的構造の経時的変化における特徴の解明には至らなかった。今後、鍍銀染色を用いた繊維構造の解析、電子顕微鏡を用いてよりミクロの世界での検討が必要であろうという方向性をえた。脳腫瘍の神経伝導速度の測定を、様々な刺激条件を試して行ったが、腫瘍の種類に応じた伝導速度の差や伝導波形の特徴を見出すことは出来なかった。取り出した脳腫瘍は虚血に陥っているため、脳腫瘍摘出前に頭蓋内で腫瘍の伝導速度の測定と解析が必要と考えた。
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