2021 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経原発悪性リンパ腫の患者由来細胞株を用いた治療標的の探索
Project/Area Number |
19K18398
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
三宅 勇平 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (80837302)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 中枢神経原発悪性リンパ腫 / 患者由来細胞株 / NF-kB |
Outline of Annual Research Achievements |
中枢神経原発リンパ腫患者(primary central nervous system lymphoma: PCNSL)から採取した腫瘍細胞を酵素的に処理を行い, 免疫不全マウスに移植した. 現時点で23例で腫瘍形成が観察できた.これらの細胞株を通じたin vitro, in vivoの種々の解析結果より、PCNSLではMYD88/CD79BもしくはLMP1 によるNF-kB経路関連の遺伝子異常によりRELA/p65が活性化し, 強い解糖系依存を誘導していることを示し、国際雑誌へ報告した(Tateishi K, Miyake Y, et.al. Cancer Res. 2020). また細胞株に対しHighthrouputにて効果的に細胞抑制効果を持つ薬剤を探索したところ, NF-kB経路の下流に対する抑制薬が候補となった。前述の理論に基づき、NF-kBを抑制する薬剤を探索したところ、特にプロテアソーム阻害薬が効率的, かつ網羅的に細胞株に対する細胞増殖抑制効果を持つことを見出した.国際学会で報告し、外部評価につながっている(Abstract Award for Excellence in CNS Rare Disease, SNO meeting 2021)。これらの研究結果は、予後不良であるPCNSLの新規治療開発の基盤となるものであり、今後臨床応用につながっていく可能性がある。近年増加傾向である本疾患に対し、生存予後、機能的予後を改善させる治療を開発することは社会的にも意義のあるものと考える。
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