2020 Fiscal Year Research-status Report
Brain microstructural correlates of neurocognitive dysfunction in pediatric and adult Moyamoya disease elucidated from Myelin imaging and diffusion MRI
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19K18406
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
原 祥子 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (60772879)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | もやもや病 / 認知機能障害 / ミエリン / 拡散MRI / 軸索 / MRI / 脳血流障害 / 血行再建術 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症の影響で今年度は診療そのものの制限が強く、新規研究参加者は1名にとどまった。これまでの蓄積データ解析により、①もやもや病のミエリン障害の検討 ②もやもや病の血行再建術前後での脳微細構造変化について検討を行った。
①に関しては、もやもや病患者でミエリンが減少していること、認知機能障害への影響はミエリンよりも軸索密度低下の影響が強いことを確認した。この結果はアメリカ神経放射線学会の学術誌であるAmerican Journal of Neuroradiologyに採択され、2020年9月号のEditor’s choiceとなり、Podcastで紹介された。また、株式会社ユサコのホームページでは日本語要約が紹介されている。(https://www.usaco.co.jp/article/detail.html?itemid=1311&dispmid=610&fbclid=IwAR0792N0yPL-0M30Lt-jvli0zXu8gwvvUNMDGSQuVJrak8MADwRkpjz6U_0)
②に関しては、手術前に健常人と比べ上昇していた水成分が術後低下することを確認した。神経細胞をあらわすパラメーターは全例の比較では手術前後で明らかな変化はなかったが、認知機能障害改善例ではネットワーク構造の変化があることが確認できた。この結果は現在論文投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響で研究参加者、とくに小児のリクルートが遅れている。来年度のパンデミックの状況改善に期待するが、予定数を達成できるかは不明。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度になっても多数の新規患者リクルートはパンデミックの影響で難しいと思われるので、既存のデータ解析で新しい結果を得ることを目指す。拡散MRIの新解析法により、脳の排泄機構であるグリンパテティックシステムの評価が可能とされている。この解析を用いれば、もやもや病で異常に水が蓄積するメカニズムを解析できる可能性がある。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で多くの学会がWeb開催となり、出張費が大幅に減ったため、次年度使用額が生じた。来年度も出張費が増加する見込みは高くないため、論文執筆の英文校正費用や論文投稿料として使用する予定。
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