2021 Fiscal Year Research-status Report
マトリセルラー蛋白を標的としたくも膜下出血後脳損傷の新規診断法の開発
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19K18423
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
西川 拓文 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (10582116)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | くも膜下出血 / ガレクチン-3 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管内穿通法によるマウスくも膜下出血モデルを作成し、遅発性脳損傷の原因病態として想定される脳血管攣縮(India ink angiography)、血液脳関門障害(Evans blue法)、大脳皮質拡延性抑制および非痙攣性てんかん(脳表電極)、微小循環障害、炎症反応や神経細胞アポトーシスを分子生物学的手法、電気生理学的検査を駆使して経時的に評価した。脳組織を経時的に採取し、マトリセルラー蛋白であるガレクチン-3やその受容体であるToll様受容体4の発現・活性化変化を順次、ウエスタンブロット法や免疫染色にて確認し、遅発性脳損傷の病態にマトリセルラー蛋白の1つであるガレクチン-3が関与する可能性を明らかにした。さらに各組織中におけるガレクチン-3発現の経時的変化を明らかにした。また、左大脳半球を用いたウエスタンブロット法にてガレクチン-3の機能発現にはextracellular signal-related kinase (ERK) 1/2, signal transducer and activator of transcription (STAT)-3やmatrix metalloproteinase (MMP)-9が中間分子として重要な役割を担うことを解明した。ガレクチン-3に対する中和抗体を作成し、健常マウスやくも膜下出血マウスの脳室内に定位的に注入することで、くも膜下出血後の遅発性脳損傷が抑制されたことより、ガレクチン-3はくも膜下出血後脳において細胞障害性に作用することを明らかにした。今後、合成ガレクチン-3を作成、投与してその反応を検討することにより、ガレクチン-3の機能的役割をさらに確実に確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、研究成果が得られつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も基本的に当初の計画通り、実施する予定である。
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Causes of Carryover |
理由:動物実験において動物購入費用及び分子生物学関連費用が当初の計画よりも少なく済んだため。また新型コロナ肺炎のため海外旅費や国内旅費の一部が不要になったため。 使用計画:次年度に行う動物実験や成果発表のための旅費に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)