2022 Fiscal Year Annual Research Report
頭蓋縫合早期癒合症の病態における骨芽細胞の分化とその役割
Project/Area Number |
19K18431
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
吉岡 史隆 佐賀大学, 医学部, 助教 (30620249)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 頭蓋縫合早期癒合症 / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は非症候群性頭蓋縫合早期癒合症の患児1名から骨標本を採取することができた。骨標本は一部は脱灰後パラフィン包埋し、一部は間葉系幹細胞用培養液にて培養し、凍結保存することができた。 これまでに蓄積された症例を含め、症候群性頭蓋縫合早期癒合症4例、非症候群性頭蓋縫合早期癒合症3例の症例で骨標本を採取しているが、それでも研究機関全体を通して、7症例のみであった。研究期間中の新型コロナウイルスの感染拡大という想定外の事態があり、それ以前には他県より受診していた患者が減少し、十分な症例を集積することができなかった。 それでも少数の症例から得られた標本を用いて、CD73、CD44やCD106等の間葉系幹細胞のマーカーを用いた免疫染色を行い、免疫組織学的に間葉系幹細胞の存在を同定しようと試みたが、培養細胞の免疫染色がなかなかうまくいかず、得られている培養細胞内に間葉系幹細胞が含まれるのかを確認することにも難渋し、研究機関内には成功させることができなかった。継代を重ねることでの細胞へのダメージも考慮し、現在は適切な培養環境や染色条件の検討を行っているところである。そのため、その後の間葉系幹細胞の単離・培養やRunx2、Actin2の遺伝子異常および発現解析には至らなかった。 ただし、間葉系幹細胞は凍結保存でも機能が維持されることが知られており、今後の研究に利用可能な標本の集積という意味では最低限度の集積はできたのではないかと考えており、本研究期間に得られた標本をもとに今後も間葉系幹細胞の単離・培養、Runx2、Actin2の遺伝子異常および発現解析を進めていきたい。
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