2021 Fiscal Year Research-status Report
脳梗塞に対する脂肪細胞由来幹細胞移植投与方法の確立と健側の役割の解明
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19K18432
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
定方 英作 長崎大学, 病院(医学系), 助手 (10772139)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 再生医療 / 脂肪幹細胞 / 脳梗塞 |
Outline of Annual Research Achievements |
230~280gのSparague-Dawley種のラットを使用し、総頚動脈より4-0ものフィラメント糸を挿入し中大脳動脈閉塞モデルを作成した。80分経過後にフィラメントを除去し再開通させ、24時間後にヒト脂肪細胞由来幹細胞(ADSCs)の投与を行った。ポリエチレンカテーテルを用いてコントロール群として生理食塩水を投与した群、細胞投与群として、細胞数を100万個、1000個の群に振り分けて脳梗塞と同側の頸動脈から緩徐に投与を行った。投与モデル間におけるFunctional recovery 、梗塞サイズの検討した。まず投与後から投与28日後までmNSSをとり、神経機能の改善を投与細胞群間で比較検討を行った。細胞投与群ではコントロール群と比較して神経機能の改善がみられ、投与細胞群間でも高量の細胞を投与した群の方が神経機能改善がみられた。細胞投与群とコントロール群では死亡率に関しては差は認めなかった。 脳梗塞巣のサイズの評価ではventricle sizeやcortical atrophyの定量を行った。細胞投与28日後に4%PFAの還流固定を行い脳組織を摘出し、cryostatを用いて30μmm sliceを作成した。等間隔に5切片をセレクトし、20% cresyl iolet溶液を用いて染色を行った。ventricle sizeやcortical atrophyの定量をImage Jを用いて評価した。細胞投与群ではコントロールと比較して有意に脳梗塞巣の縮小が得られた。細胞投与群では統計的な差は見られなかったが、high dose群で脳梗塞巣の縮小が得られた。今後は免疫染色を行い病態解明を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定としては免疫染色までは行う予定であったが、コロナ感染症の流行のため試薬の搬入が遅れてしまったことと急患対応が大幅に増えたため研究に回す時間がとられてしまったため免疫染色が十分に行えなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今回免疫染色が十分行えておらず、脂肪幹細胞の神経性性についての作用について十分検討できていないため、musashi-1、GFAP、RECA-1、Iba-1などの免疫染色を追加する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症流行のため試薬の到着遅延と、臨床への時間が多くさかれてしまったため十分な免疫染色などの時間がとれず染色ができなかったため次年度使用額が生じてしまった。次年度に免疫染色や論文作成などの研究費に充てる予定である。
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