2019 Fiscal Year Research-status Report
アルキル化剤治療後残存腫瘍の解析による治療後変化及び再発メカニズムの解明
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19K18441
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
市村 佐衣子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (30464952)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | グリオーマ幹細胞 / M2 マクロファージ / CD133 / nestin |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは神経膠腫に対する術戦化学療法を世界に先駆けて提唱、実践してきた。そして、その術前化学療法戦略を画像的、組織学的、臨床的側面のそれぞれから実証してきた。 本研究では(組織学的検討)、神経膠腫(WHO grade2/3)における化学療法前後の標本を比較し化学療法後では核の膨化・濃縮・断片化といったApoptic change、細胞密度の減少、泡沫細胞の浸潤、石灰化などといった化学療法によると思われる変性変化を認め、増殖能の指標であるMIB-1 indexは化学療法後減少するが、グリオーマ幹細胞(CD133/nestin)陽性率は増加することがわかった。また、免疫染色の結果からグリオーマ幹細胞は化学療法後にM2マクロファージ(CD163+)とともに増加し、予後と負の相関をすることがわかった。このことから、化学療法により増殖活性の高い腫瘍細胞は減少するが、グリオーマ幹細胞はM2 マクロファージとともに残存し腫瘍再発に関与している可能性が示された。今回の報告内容はIn vitroでははじめての報告である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りに進んでおり、論文投稿予定段階であるとともに、上記の通り研究を続けている。
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Strategy for Future Research Activity |
化学療法による遺伝子変異誘発の可能性と化学療法抵抗性クローンの特性を解明するために利用可能な化学療法前後の標本を用いて(再発した場合はその標本を含む)、MMR遺伝子発現の免疫染色による検討とがん遺伝子パネル検査による検討を行う予定で進めている。
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Causes of Carryover |
化学療法前後のMMR関連遺伝子の免疫染色やがん遺伝子パネル検査に用いる予定である。 1年目で免疫染色などの実験内容は終わる算定で上記の抗体等の費用は1年目で算出しているため余剰が発生した。
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