2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K18446
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
山村 奈津美 関西医科大学, 医学部, 助教 (90809914)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | グリオーマ / AMPA受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
グリオーマは強い浸潤能がある。そのため、腫瘍細胞は脳の正常部位に深く染み渡り、外科手術では全摘出できない。さらに化学療法と放射線治療の集学的治療を行っても、治療抵抗性をもつがん幹細胞が増殖をくりかえす。再発の根源であるがん幹細胞をターゲットとした治療法は有効であると考えられる。しかし、血液脳関門があるため、脳に適用できる薬剤は限られている。私たちは、手術で切除されたグリオーマから、がん幹細胞を樹立した。そして、抗てんかん薬のペランパネルにより細胞増殖が抑制されるグリオーマ幹細胞株を見いだした。以上の成果を踏まえて本研究は、ペランパネルはAMPA受容体の非競合的拮抗薬であることから、RNAシーケンス解析(イルミナ社 NovaSeq 6000)で、遺伝子発現量、融合遺伝子、スプライシングバリアント、および点変異を調べた。ペランパネルに感受性を示した4患者由来のがん幹細胞株における、AMPA受容体をコードするGRIA分子の発現量は、GRIA1 (54 TPM) > GRIA3 (19 TPM) > GRIA2 (8 TPM) = GRIA4 (4 TPM)の順位であった。4患者に共通して、GRIA3において、アミノ酸置換の変異(R775G)を発見した。さらに、AMPA受容体の上流解析により、制御因子として脱ユビキチン化酵素のYOD1を見いだした。データベース(TCGA)を用いて解析すると、GRIA3またはYOD1のmRNA発現は、グリオーマ患者における予後不良因子であった。以上の結果は、1) AMPA3受容体がCaイオン透過性に関わること、2) YOD1はAMPA3受容体を制御すること、3) YOD1-AMPA3経路がグリオーマ治療の分子標的に成り得る可能性を示唆する。
|
-
-
[Presentation] クリップとコイルの併用で親動脈閉塞を施行した大型部分血栓化動脈瘤の1例2021
Author(s)
吉村晋一, 福田晃大, 上野勝也, 内藤信晶, 宮田真友子, 山村奈津美, 李一, 武田純一, 羽柴哲夫, 須山武裕, 埜中正博, 淺井昭雄
Organizer
第50回日本脳卒中の外科学会学術集会
-
-
-