2020 Fiscal Year Annual Research Report
低悪性度てんかん原性腫瘍周囲の正常神経細胞におけるてんかん発症機構の解明
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19K18448
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
飯島 圭哉 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院, 医員 (10751878)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | GABA / グルタミン酸 / 神経伝達物質 / LEAT / てんかん / BRAF V600E / glioma / glioneuronal tumor |
Outline of Annual Research Achievements |
液体クロマトグラフィ法にて、ヒト脳組織検体からのグルタミン酸・GABA・Glycineの濃度を測定するための条件検討を行い、12症例の低悪性度てんかん原性腫瘍について、GABA、Glycin、グルタミン酸の濃度を定量した。これらの12症例の原因遺伝子を同定するために、次世代シーケンサー法、Multiplex Ligation-Dependent Probe Amplification (MLPA)法、RNA-seqを行った。遺伝子解析の結果、8例はBRAF V600E単独変異と同定された。他はBRAF V600E + CDKN2A/B deletion, BRAF V504_R506dup, FGFR2-INA fuisionが1例ずつ認められた。また、1例では遺伝子変異を特定できなかった。これらの病変の病理組織学的特徴を見出すために、まず手術時の病理診断を電子カルテ情報から解析した。Low-grade gliomaが5例、Gangliogliomaが3例、Glioneuronal tumorが2例、Gangliocytomaが1例、Pleomorphic xanthoastrocytomaが1例、Cortical dysplasiaが1例であった。手術時の病理診断が多彩であり、古いデータであったため、病理組織学的解析を最新の診断基準に合わせて3人の病理医の討議により診断をし直した(コンセンサス診)。コンセンサス診断では9例がdiffuse glioneuronal tumorと診断され、Pleomorphic xanthoastrocytomaが1例、Cortical tuberが1例、low-grade diffuse glioma with CD34 expressionが1例であった。これらの結果をまとめることにより、低悪性度てんかん原性腫瘍の遺伝子型および病理組織型に基づいた脳腫瘍内の神経伝達物質の濃度比の特徴が明らかになった。
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