2022 Fiscal Year Annual Research Report
Changing in material structure of anti-oxidant doped highly cross-linked polyethylene retrieved from in vivo
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19K18462
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
刀根 慎恵 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (80763739)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ポリエチレン / 酸化 / 人工関節置換術 / 抗酸化剤添加 |
Outline of Annual Research Achievements |
人工股関節置換術及び人工膝関節置換術後に生体内から抜去された第2世代架橋型ポリエチレン(HXLPE)のうち、抗酸化剤添加されたHXLPE20例を対象とし、ライナーの荷重部及びインサートの内側荷重部に対してそれぞれ厚み200μmの薄片を作成し、フーリエ変換赤外線分析を用いて最大酸化度(Max OI)を算出した。また、直径6mm、厚み250μmの薄片も作成し、示差走査熱量測定を用いて酸化誘導時間(OIT)を測定した。抗酸化剤添加HXLPEのMax OI及びOITと関連する因子(年齢、性別、BMI、生体内期間、ビタミンE指数)を検討した。また、抗酸化剤浸漬HXLPEと抗酸化剤混合HXLPEの2群でMax OI及びOITを比較検討した。 結果として抗酸化剤添加HXLPEの平均Max OIは0.090 ± 0.066で、平均OITは33.1 ± 22.3分であった。Max OIは生体内期間と有意な相関を認め(R = 0.717、p < 0.01)、OITはビタミンE指数と有意な相関を認めた(R = 0.926、p < 0.01)。抗酸化剤浸漬HXLPEの平均Max OIは0.112 ± 0.089、平均OITは55.5 ± 11.8分であり、抗酸化剤混合HXLPEの平均Max OIは0.072 ± 0.037、平均OITは14.8 ± 3.9分であった。Max OIは2群間で有意差を認めなかったが、OITは有意に抗酸化剤浸漬HXLPEが大きかった。 本研究においてOITはビタミンE指数に依存し、抗酸化剤混合HXLPEよりも抗酸化剤浸漬HXLPEの方がより高い耐酸化能を有する結果となった。しかしながら、最大酸化度は生体内期間と有意な相関を認めたことから、抗酸化剤が添加されていても酸化劣化が進行する可能性が示唆された。
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