2021 Fiscal Year Research-status Report
Piezo1で解き明かす骨内血管新生と骨形成の機能的連関
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19K18468
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
西山 めぐみ 佐賀大学, 医学部, 助教 (00802844)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メカノセンサー / イオンチャネル / 骨代謝 / 血管新生 / 血管内皮細胞 / 骨細胞 / 破骨細胞 / 骨粗鬆症 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢化社会における健康寿命延伸の実現には、適切な強度を保つ骨の維持が鍵を握る。骨の形成の過程では、軟骨から骨への置換が起きる軟骨内骨化が認められる。軟骨内骨化では軟骨細胞が増殖、分化して軟骨を形成し、さらにその過程で新生血管が侵入し、骨の細胞が分化し、新しい骨がつくられる。近年、骨の形成に関わる特殊な血管が同定され、骨形成に積極的な役割を果たすことが知られるようになってきた。しかしその血管と骨組織の関わりについては未だ不明な点が多い。この特殊な血管は加齢に伴い減少することから、骨の減少への関連も示唆されることを考え合わせると、骨形成に積極的な役割を果たすこの血管を活性化することは、新たな骨形成方法の開発に繋がると位置づけられる。そこで研究代表者は、この特殊な血管が骨形成の時期にどのような形態や位置を示すのかをマウスを対象とし明らかにする研究を計画した。骨の形成期には、特殊な血管のマーカーであるEndomucinおよびCD31を発現する血管の進入が確認された。特殊な血管のマーカーが強く発現する血管内皮細胞が軟骨の原基に侵入していること、さらに、侵入の先端細胞には、細胞外の基質の中へと細胞突起を伸張していることを見いだした。さらにその進入する新生血管の血管内皮細胞には、メカノセンサーイオンチャネルが発現していることを見いだした。そして、侵入の際には基質を壊しながら移動していることが示唆される形態を確認することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和3年度は研究代表者が体調不良となり約一年間の休職期間があったため、研究を継続的に進めることが出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者に研究環境の変更が生じたことと、また健康上の理由により進行の遅れが生じたことを考慮し、これまでの研究結果を振り返りまとめるとともに、今後は環境の整備および研究課題への取り組み方法の再考に努め、分析対象を精選して研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
研究代表者は令和2年度末から健康上の理由により約一年間の休職状態にあり、その間研究活動が行えなかった。令和4年度から研究を再開することが可能となったため、補助事業期間をの延長を申請し、これまでの所要額を次年度使用額として請求したものである。請求額は今後の研究活動に必要な物品費、旅費、その他に当てる計画としている。
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