2019 Fiscal Year Research-status Report
グリオスタチンの関節リウマチにおける役割と新たな治療標的分子としての可能性
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19K18473
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
川口 洋平 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (90766734)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | グリオスタチン / 関節リウマチ / 線維芽細胞様滑膜細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
グリオスタチンのRA-FLSsに対する細胞増殖能をWST assayで検討したところ、細胞増殖能を有する事が確認できた。遊走能をwound healing assayとtranswell assayで、浸潤能をマトリゲルインベージョンチャンバーにて検討中である。また、グリオスタチンによる骨破壊関連因子の発現誘導も同時に検討中である。RA-FLSsをRA患者関節内濃度である300 ng/mlのグリオスタチンで刺激すると、receptor activator of NF-κB ligand (RANKL) の発現が経時的に誘導されることをmRNAレベルにおいて、確認できた。この発現誘導がTPIまたは抗グリオスタチン抗体にて抑制されることを、mRNAレベル、タンパクレベルで検討する予定である。また先に証明したグリオスタチンのMMPsの発現誘導が、TPIと抗グリオスタチン抗体で抑制されるかをリアルタイムRT-PCR法と上清中のMMPsのenzyme-linked immune-sorbent assay (ELISA法) を用いて検討する。ヒト滑膜組織を小片に切断し、10%FCS含有RPMI1640培地で100-mmdishに3日間培養後、接着した細胞群をピペッティングで回収し、セルストレイナーでデブリスを除去した細胞懸濁液にリンパ球分離溶液を投与し、遠心して得られた中間層には、リンパ球、FLS、マクロファージ、樹状細胞、内皮細胞が含まれており、これを炎症性細胞群として、10%FCS含有DMEM培地で酵素処理せずに培養するとパンヌス形成がex vivoで確認できることが報告されており、このヒト関節炎の病態を反映した培養系を利用し、グリオスタチンのパンヌス形成促進効果を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関節リウマチ患者の手術が減少傾向であり、また生物学的製剤の使用により、活動性のある線維芽細胞様滑膜細胞の採取が困難となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
患者検体による線維芽細胞様滑膜細胞の入手が困難となった場合は、cell lineを購入し、引き続き実験を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
備品購入を抑えたため、次年度に繰り越す予定である。 滑膜細胞の採取が遅れたため実験が回数行えなかった。
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