2021 Fiscal Year Annual Research Report
前・初期変形性股関節症患者の疼痛発現メカニズムおよびその制御機構の解明
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19K18476
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
福島 健介 北里大学, 医学部, 講師 (30383615)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マクロファージサブセット / 滑膜 / 変形性股関節症 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに変形性股関節症(股OAの)滑膜組織には様々なマクロファージサブセットが存在することを明らかにしてきた。本年度はマクロファージマーカーCD163を用いて更なるサブセット解析を行った。hOAの診断で人工関節置換術を行った98例から滑膜組織を採取した。72例はReal time PCRでCD163の発現を調査し、Visual Analog Scale (VAS)で評価された術前安静時痛と活動時痛との相関を調査した。10例は磁器ビーズ法で細胞分離を行い、CD163+/-分画における炎症性サイトカインの発現を比較検討した。8例はフローサイトメトリーでCD163+マクロファージにおけるサブセット解析を行った。8例はセルソーティングで各サブセットが発現する炎症性サイトカインを調査した。炎症性サイトカインはTNFA, IL1B, IL5, IL6, IL17を使用した。CD163と安静時痛VASの間に正の相関を認めた。活動時痛VASとは相関がなかった。CD163+分画におけるTNFA, IL1Bの発現は CD163-分画よりも有意に高かった。CD163+細胞には異なるサブセットである CD163+CD14lowとCD163+ CD14highが存在していた。CD163+ CD14low細胞における TNFA の発現は有意に高かった。これまでの報告から TNF-α は OA における疼痛のプロセスに関与するとされる。本研究の結果から、TNF-αを高発現している CD163+CD14low細胞が、痛みの病態に関与している可能性が示された。
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Research Products
(2 results)