2020 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症における筋・骨・血管連関を担うエクソソームの役割の解明
Project/Area Number |
19K18480
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
高藤 義正 近畿大学, 医学部, 助教 (90734864)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エクソソーム / miRNA / 破骨細胞 / メカニカルストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、骨格筋が分泌するエクソソーム(Myo-exo)に着目し、筋・骨・血管連関におけるMyo-exoの役割およびMyo-exo内の作用因子の解明を目指した。 最終年度の2020年度は、Myo-exoをマウス筋細胞株(C2C12細胞)の培養上清から超遠心法にて単離し、骨芽細胞、間葉系細胞へのMyo-exoの作用を検討した。Myo-exoはBMP-2によって誘導される骨芽細胞分化をより増強する作用を示した。前年度の検討で、Myo-exoは骨吸収を担う破骨細胞の形成を抑制することが明らかとなっており、今年度の結果と合わせて、Myo-exoは生体内で骨形成を促進する作用を示す可能性が示された。 また、今年度はMyo-exoの内包物を抽出し、miRNAシークエンス解析を行った。骨芽細胞や骨髄細胞における発現が低く、Myo-exoにおける発現が高いmiRNAを解析したところ、7種のmiRNAが抽出された。さらにその中で4種のmiRNA (miR30、143、155、196)が破骨細胞形成を有意に抑制する作用を示した。特にmiR196は、骨芽細胞、間葉系細胞に対してもMyo-exoと同様の作用を示したことから、Myo-exo内の作用因子としてmiR196が重要である可能性が示された。 前年度の検討で、振盪培養によってメカニカルストレスを負荷した筋細胞から産生されるエクソソーム(Myo-exo-stress)は、Myo-exoよりも高い破骨細胞分化抑制作用を示した。今年度の検討で、破骨細胞抑制作用を示すmiR155、miR196の内包量がMyo-exoと比べてMyo-exo-stressで有意に高いことが明らかとなり、筋細胞へのメカニカルストレスの負荷がmiR155、miR196の発現上昇を介して破骨細胞分化抑制作用を増強した可能性が示された。
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Research Products
(3 results)