2019 Fiscal Year Research-status Report
Molecular mechanisms of mesenchymal stem cell proliferation by IL1b
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19K18491
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
松村 恵津子 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 非常勤講師 (30831854)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 滑膜 / インターロイキン1β / インターロイキン1β受容体 / 増殖 / 細胞内情報伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
私達は、IL-1βが、間葉系幹細胞(MSC)の増殖因子として作用することを報告してきた。しかしながら、表面抗原解析を行なった結果、ヒト滑膜由来MSC初代培養細胞において機能的IL-1β受容体(CD121a)陽性細胞は全体の5%以下しか観察されなかったことから、IL-1βによるMSCの増殖活性化は、IL-1β受容体を介さない、新規の分子メカニズムによる可能性が考えられた。本研究の目的は、MSCにおけるIL-1βの情報伝達経路を解明することである。 本学倫理審査委員会の承認と患者の同意の下、人工膝関節置換術時に採取した滑膜から酵素法により有核細胞を分離し、平面培養を行うことでMSCを得た。培養過程におけるCD121a陽性細胞の経時変化はフローサイトメーターを用いて解析した(n=2)。MSCの増殖に重要な機能を有する細胞内Erkの活性がIL-1βの生理作用発現に必須であるかの検証は、リン酸化酵素阻害剤を用いた増殖試験により行った。 IL-1β存在下において、CD121a陽性MSC数の増加は観察されなかったことから、IL-1βによる細胞増殖は受容体発現細胞への直接的な効果ではないことが示唆された。また、IL-1βの細胞増殖効果は、低血清培地(0.1%)では観察されなかったことから、他の増殖因子の共役が必要であることが示唆された。IL-1βは、血清刺激存在下においてErkのリン酸化を増強すること、Erkのリン酸化阻害剤によりIL-1βの増殖活性化効果が完全に抑制されたことから、IL-1βは、細胞内Erk情報伝達経路に対して付加的に作用することでMSCの増殖を活性化する可能性が示された。今後はIL-1βがどのようにErk活性化を行うか検討を行って行く。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下に示す知見を明らかとしたことから、上記のように判断した。 IL-1β存在下において、CD121a陽性MSC数の増加は観察されなかったことから、IL-1βによる細胞増殖は受容体発現細胞への直接的な効果ではない可能性を示した。IL-1βの細胞増殖効果は、低血清培地(0.1%)では観察されなかったことから、他の増殖因子の共役が必要である可能性を示した。IL-1βは、血清刺激存在下においてErkのリン酸化を増強することを示した。Erkのリン酸化阻害剤によりIL-1βの増殖活性化効果が完全に抑制されたことから、IL-1βは、細胞内Erk情報伝達経路に対して付加的に作用することでMSCの増殖を活性化する可能性を示した。
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Strategy for Future Research Activity |
IL1b受容体(CD121a)陰性細胞に対するIL1bの細胞増殖活性の測定 初代滑膜MSCをCell sorter (BD, FACS AriaII)を用いてCD121a陽性、並びに陰性分画に分け、それぞれに対するIL1bの細胞増殖活性を、MTT assayを用いて測定する。それぞれの分画を4群(通常培地(10%血清), 通常培地+IL1b, 0.1%血清培地, 0.1%血清培地+IL1b)に分け、増殖曲線の比較を行う。 IL1b受容体(CD121a)陽性、陰性細胞におけるIL1b添加後の細胞内タンパク活性化(リン酸化)のプロファイリング CD121a陽性、並びに陰性分画に対してIL1bが活性化を行う細胞内シグナル伝達因子の活性化(リン酸化)のプロファイリングを行う。特にMyD88の下流で活性化されるNFkB及びFos/Junに着目し、CD121a陽性MSCに対してIL1bを作用させた場合、NFkB及びFos/Junの活性化が誘導されるか、これら転写因子が成長因子の発現を誘導するかに関して検討を行う。
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Causes of Carryover |
FACS Aria IIによるCD121a陽性並びに陰性分画のソーティングの技術習得に時間がかかり、網羅的解析の進捗が少々遅れているため、繰越金が生じた。本年度実行する予定である。
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Research Products
(1 results)