2019 Fiscal Year Research-status Report
軟骨分化誘導させた脂肪由来幹細胞シートによる変形性膝関節症の軟骨再生
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19K18493
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
上野 琢郎 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (80800622)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ADSCsシート / 軟骨分化 / 軟骨再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ADSCsが直接軟骨へ分化し、関節軟骨を再生する可能性について検証することである。具体的には、シート化技術で作製した「軟骨細胞シート」を日本白色家兎の膝OAモデルに移植し、関節軟骨がどの程度再生されるのか検討することである。 実験は主に①軟骨細胞シート作成法の確立(試験管内実験)と②軟骨分化シートによる再生能の評価(動物実験)からなる。 現在、①に関して、より効率的な分化能を有するシート作成に関して研究を進めているところである。ADSCsシートの軟骨への分化能を評価するために、シート化前とシート化後それぞれに、軟骨細胞分化培地を用い、分化誘導を行っている。 現段階で、シート化前及びシート化後で組織学的に軟骨への分化が確認された。今後、定量的な評価のために、サンプルサイズを増やして統計学的検定を行う予定である。また軟骨分化への評価として免疫染色やrial-time PCRによる定量化も予定している。 また、シート作成の前段階でcell sorterを用いCD105 による cell sortingを行い、CD105 陽性細胞からなるシート、陰性細胞からなるシート、従来通りのシートの3つシートを作成し、それぞれ分化能を評価する予定である。最も高い分化能を有する条件が分かった段階で、動物実験で再生能を評価する。コントロールとして予備実験で行った分化前のシート移植モデルの結果を使用する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
軟骨への分化誘導に関して培養方法や培養に用いる機材、分化能の評価法などに関する情報収集にも時間を費やしてしまい、実際の培養へのとりかかりが遅延してしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在検討中の軟骨細胞シート作成方法の中で最良の方法を同定する。 動物実験についてはOAモデルの作成法は確立されているため、コントロール群,脂肪幹細胞シート群,分化シート群と3群でそれぞれ軟骨再生の比較を予定する。
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Causes of Carryover |
染色薬品など資材購入を行う予定であったが、予定より組織標本が少なく、それに伴う経費は繰り越しとした。 次年度使用額の使用計画;資材購入にあてる。
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