2022 Fiscal Year Annual Research Report
変形性関節症の新しい治療 -OAモデルのCD44断片化とADAM10に注目して-
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19K18496
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 望人 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (30826748)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 変形性関節症 / 軟骨変性モデル / DMM手術 / ADMA10 / CD44断片化 |
Outline of Annual Research Achievements |
軟骨変性に伴う変形性関節症には様々な因子が関与しており、病因および病態で明らかになっていないことが多々ある。ヒアルロン酸レセプターであるCD44は軟骨変性・保護に関与している報告は散見される。これまでに我々はin vitro研究にて、OAにおける軟骨変性や伸展ストレスによる機械的刺激下でCD44断片化が亢進していることや、CD44断片化にADAM10が関与していることについて報告してきた。実験計画書をもとに軟骨変性とADAM10の関連について、in vivoモデルを用いて研究を進めていることと併せて、軟骨保護作用のあるヒアルロン酸のメカニズムについてin vitro研究でもさらに研究を進めている。in vivo研究では軟骨特異的ノックアウトマウス(CKOマウス)としてCol2a1- cre;ADAM10fl/flを用いている。また軟骨変性モデル(in vivoモデル)作成のためDMM手術を実施している。ADAM10は発生および成長に関与することがこれまでに報告されているが成長に影響なく、通常の成長過程を経ることで軟骨変性を評価することが可能となっている。これまで短期的な評価であるDMM術後6週および10週モデルを用いて、CKOマウス/WildマウスではOARSIスコア2.4/1.9、術後10週モデルでは6.1/14.2であった。CKOマウスはWildマウスと比較して術後6週モデルでは有意差はないものの、術後10週モデルで有意に軟骨変性を抑制していたことがわかった(P<0.05)。今後長期自然経過モデル(老化モデル)を用いてADAM10の軟骨変性抑制への関与の研究をさらに進めていく。今後軟骨変性に関与しているヒアルロン酸レセプターであるCD44とCD44断片化抑制に関与しているADAM10について解明していくことで、軟骨変性を引き起こすメカニズム解明の一助となると考えられる。
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Research Products
(3 results)