2019 Fiscal Year Research-status Report
化膿性関節炎の早期診断を目的とした関節液中プレセプシンの解析
Project/Area Number |
19K18500
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
今釜 崇 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (00634734)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 関節液 / プレセプシン / 化膿性関節炎 / 人工関節感染 / 結晶性関節炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節液を採取可能な患者から関節液および血液のサンプルを回収し、順次データの解析を行っている。現在まで148症例のサンプルを確保し、変形性関節症、結晶性関節炎、化膿性関節炎と診断されデータの解析が可能であった合計141検体を解析した。その内訳は変形性関節症46例、化膿性関節炎45例、結晶性関節炎50例で統計学的に検討を行った。 血中CRP、血中プロカルシトニン、血中プレセプシン、関節液中プレセプシン値は変形性関節症と比較して化膿性関節炎、結晶性関節炎で有意に高く、血中プレセプシン、関節液中プレセプシンは結晶性関節炎より化膿性関節炎で有意に高かった。 また結晶性関節炎と比較した化膿性関節炎の感度、特異度はいずれも80%台と高かった。また関節液中プレセプシンに関しては、添加回収試験(Spike and Recovery Test)と直線性試験(Linearity Test)を行い、いずれも問題なく関節液中プレセプシン測定に関して安定していることを確認した。 結晶性関節炎は化膿性関節炎と理学所見や血液検査所見が類似しており、診察当日にこの両者を鑑別することが困難な例も少なくない。結晶性関節炎と異なり化膿性関節炎は手術を含めた治療開始時期が早ければ早いほど予後が良いため、より早期の確定診断が望まれる。関節液中プレセプシンは検体採取から30分以内には結果が判明するため、化膿性関節炎の治療方針の決定や治療予後に有用となる可能性がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
変形性関節症と化膿性関節炎の血液および関節液のサンプルは目標症例数近く確保できており解析も進んでいる。ただ関節リウマチの検体が少なくさらなる検体採取が必要で、これらを含めた解析を順次行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
主に関節リウマチ患者の検体採取を引き続き行い、症例数を増やした上で解析を行う予定である。
|