2019 Fiscal Year Research-status Report
エストロゲン欠乏による骨折治癒遷延の分子メカニズム解明と治癒促進法の開発
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19K18502
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
池戸 葵 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 特定研究員 (60834520)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨折治癒 / エストロゲン受容体 / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
エストロゲン欠乏による骨量低下は、閉経後女性のみならず若年期の女子アスリートにおいても問題視されており、骨折や疲労骨折の治癒遷延の大きな原因の一つとなっている。エストロゲンは核内受容体であるエストロゲン受容体 (ER) αおよびERβを介して作用を発揮する。ERαの骨代謝制御機構は、骨芽細胞の分化段階によって異なることが報告されているが、骨折治癒過程における機能は全く不明である。そこで、本申請では骨芽細胞の各分化段階特異的にER遺伝子を欠損させたマウスの骨折治癒過程を評価し、ゲノムワイド解析により標的遺伝子の特定および転写制御機構を解明する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各分化段階の骨芽細胞特異的ERα遺伝子欠損マウスを対象に皮質骨欠損モデルを用いて、仮骨量の評価を実施した。その結果、ERα遺伝子欠損により骨折治癒を遷延させる細胞種を特定した。現在、表現型の見られたマウス間葉系幹細胞を単離し、分化誘導実験により細胞の機能評価を実施している。しかし、マウスの子産数が少ないことから次の実験に移ることができず、計画がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、マウスの交配数を増やすことや体外受精を実施することでサンプル数を増やし、実験の効率化を図る。十分なサンプル数が得られたら、表現型の見られた細胞種からRNAを抽出し、RNAシーケンスを実施する。この結果を用いてバイオインフォマティクス解析を実施することで、骨折治癒を遷延させるERαの標的遺伝子を同定を目指す。その後、標的遺伝子の治療標的としての機能解析を実施する。
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Causes of Carryover |
実験遂行がやや遅れているため、実験試薬や器具消耗品購入の繰越が必要となった。
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