2019 Fiscal Year Research-status Report
地域在住高齢者の身体機能低下から中長期の健康アウトカムを予測する研究
Project/Area Number |
19K18504
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
富永 亮司 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20815170)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ロコモティブシンドローム / 運動器疾患 / 要介護・要支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地域高齢住民において、簡便な身体機能測定や質問項目から、運動器疾患や内科的疾患とそれに付随する国民医療費増加の予測を支援するモデルを確立する事により、国民の健康寿命延伸に寄与すると同時に、増加の一途を辿る国民医療費を抑制するための地域行政・施策に貢献することを目的としている。具体的な研究目的は、以下である。 1.高齢者の身体機能測定に関する先行文献の検索・吟味 2.地域在住高齢者の身体機能低下が中期~長期的な(5年後~10年後を想定)国民医療費増加に与える影響の疫学的調査 3.医療費予測モデルの開発・介入研究による実証 本年度は1. 高齢者の身体機能測定に関する先行文献の検索・吟味とともに、本研究の基礎データとなる、高齢者の身体機能を測定する試験が短期(2年間)の医療費の予測に有用であるか否かの詳細な検討を、既存のデータベースを用いて網羅的に縦断解析を行った。その結果、地域在住高齢者において、併存疾患を調整した後も開眼片脚立ち試験の時間が長い群は短い群に比べ、その後2年間の医療費が減少するという知見が得られた。また、地域在住高齢者の内、60歳代・80歳代はそれぞれ身体機能測定試験の種類によっては、天井効果・床(底打ち)効果があるため、特定の身体機能測定試験を用いた医療費予測に適した年代は70歳代が妥当である可能性を示唆する知見も得られた。 今後は、長期的なデータを収集するために、再度フォローアップの検診・質問紙調査に関しての、内容の遂行・実施時期の調整を重ねている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ベースのデータとなる短期(2年間)の医療費データの収集解析・論文執筆に時間がかかったことが主な要因と思われる。 また、今後のフォローアップ検診の方法・実施時期・内容についての調整にも時間を要していることも一因となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
H2年度は、既存のコホートのフォローアップ検診または質問紙調査を実施する予定である。また、長期(10年間)のアウトカムデータ(医療費・要支援・要介護データ)の取得を行う予定である。 これらによって、ベースラインでの身体機能低下がどのアウトカムを予測する因子であるのかを明らかにしていく
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Causes of Carryover |
既存のコホートのフォローアップ検診または質問紙調査を実施する予定のため、その調査費用(検診費用・交通費・問診票作成/送付にかかる費用)が必要である。また、長期(10年間)のアウトカムデータ(医療費・要支援・要介護データ)の取得を行う予定であり、その際の費用も予定している。
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