2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of pathophysiological mechanism of chronic obstructive pulmonary disease (COPD)-related osteoporosis
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19K18513
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
塚本 学 産業医科大学, 医学部, 助教 (70778159)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患 / COPD / 骨粗鬆症 / 動物モデル / 身体活動性 / 骨形態計測 / 骨形成能低下 / 海綿骨量減少 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)合併骨粗鬆症には様々な病態が存在するため、基礎研究による機序解明が今後の課題である。先行研究においてエラスターゼ(PPE)誘導性COPDマウスでは骨形成能低下に伴う海綿骨量減少を認めていたが、身体活動性との関連については言及していない。一般に、COPD患者では身体活動性が低下するため、COPD合併骨粗鬆症は、身体活動性低下によるものである可能性もあるため、COPD自体が影響しているかどうかは定かではない。本年度は、本モデル動物を用いてCOPDと身体活動性と骨量減少の関連を調査した。 C57BL/6J雄マウス12週齢に生理食塩水(Control群)またはPPE 0.1U(PPE群)を気管内投与した。投与後0、1、2、4、8、12、16、20、24週時点の活動量を測定した。同時に、μCTで肺と大腿骨を経時的に撮影し、%LAA (law attenuation area) やBMD(bone mineral density)、BV/TV(bone volume)で評価した。屠殺の3日前と7日前にカルセイン20mg/kgを皮下注射して石灰化面を標識し、屠殺後には下肢骨の二次海綿骨領域で骨形態計測を行った。%LAAはPPE群で有意に高値であったが、活動量に関しては両群で有意な差は認められなかった。一方、BMDやBV/TVに関しては、PPE投与後16週以降でPPE群の大腿骨のBMDやBV/TVが低値を示した。また、組織標本上でも、PPE群における脛骨の海綿骨量は減少し、骨形成指標が低値を示した。 PPE誘導性COPDマウスでは、身体活動性が低下しないにもかかわらず、肺気腫の進行に伴い、骨形成の低下に伴い、下肢骨の海綿骨量が減少してくることが明らかになった。したがって、COPDという病態自体が下肢骨の骨量減少に影響を及ぼす独立した因子であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた検証事項を確実に実施している。研究成果について論文投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね順調に研究が進展しているため、当初の計画通りに研究を進めていく。研究成果については現在論文投稿中であり、他にも学会発表等を通して成果の報告をする予定である。 また、新型コロナウイルス流行に伴い、動物研究センターが閉鎖された場合、研究が大幅に遅れる可能性がある。以下の対策を講じて、感染拡大予防に努めていく。1) 体調不良者はセンターへ入館しない。2) 中止や延期が可能な研究については見送る。3) 入退館する際にはなるべく少人数とする。4) センター入退館時、動 物飼育室入退室時に必ず消毒用アルコールで手指消毒を行う。5) 動物飼育室に入室する際には、マスク、帽子、手袋を着用する。6) 動物飼育室の入室は1名と し、飼育員や他の実験者がいる場合には、入室しない。7) 繁殖する動物数を必要最低限とする。
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Causes of Carryover |
本年度に使用予定であった試薬の納品が遅れており、次年度の支払いになる予定である。
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