2022 Fiscal Year Research-status Report
有限要素法を用いた大腿骨頭壊死症の骨頭圧潰予測スコアリングシステムの開発
Project/Area Number |
19K18517
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
原田 義史 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (50587045)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大腿骨頭壊死 / 有限要素解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腿骨頭壊死症は大腿骨頭が阻血性壊死に陥って圧潰し、股関節機能が失われる難治性疾患であり、厚生労働省の特定疾患に指定されている。大腿骨頭壊死発生後の発症・関節障害に関する予後予測を行うことは、手術適応の決定、薬物学的/外科的治療介入の有効性評価に重要である。本研究では骨形態と機械的特性の個人差を加味した解析が可能な有限要素法が大腿骨頭壊死症の圧潰進行の予測に有効と考え研究を行ってきた。2022年度は前年度に引き続き対象を増やして骨頭圧潰進行前の大腿骨頭壊死症例を有限要素解析ソフト:メカニカルファインダーを用いて解析をした。寛骨臼の大腿骨頭被覆が小さい症例は大腿骨頭圧潰進行を認める割合が高いとの臨床研究が報告されており、寛骨臼形態が有限要素解析の相当応力に与える影響を検討した。寛骨臼被覆はCTを用いて評価し、指標としてLateral center-edge angle、Anterior center-edge angle、Posterior center-edge angle、Anterior acetabular sector angle、Posterior acetabular sector angleを計測した。有限要素モデルで大腿骨骨幹部を拘束条件として関骨に1000Nの荷重を加えて大腿骨頭に加わる応力を解析した。統計学的解析で寛骨臼形態と荷重時の大腿骨頭相当応力に有意な関連を認めなかった。これまではCT値から骨組織のヤング率を算出して解析を行っていたが、CT値はCT撮像時の管電圧の日内変動、被写体の大きさに依存するため一定のデータを入手することが困難とされている。今後は骨量ファントムを使用することでCT値を補正したうえで有限要素解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
想定よりも有限要素解析に難渋しているため
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Strategy for Future Research Activity |
骨量ファントムを使用してCTを撮像することで、検査時期および個体間のばらつきを補正したうえで有限要素解析を行う。
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Causes of Carryover |
次年度の研究を充実させた方が研究遂行上、有益であると判断し、今年度の計画を見直した結果、当初予定額との差額が生じた。令和5年度は旅費、論文掲載費として使用する予定である。
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