2023 Fiscal Year Annual Research Report
有限要素法を用いた大腿骨頭壊死症の骨頭圧潰予測スコアリングシステムの開発
Project/Area Number |
19K18517
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
原田 義史 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (50587045)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大腿骨頭壊死 / 有限要素解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腿骨頭壊死症は大腿骨頭が阻血性壊死に陥って圧潰し、股関節機能が失われる難治性疾患であり、厚生労働省の特定疾患に指定されている。大腿骨頭壊死発生後の発症・関節障害に関する予後予測を行うことは、手術適応の決定、薬物学的/外科的治療介入の有効性評価に重要である。 本研究では骨形態と機械的特性の個人差を加味した解析が可能な有限要素法が大腿骨頭壊死症の圧潰進行の予測に有効と考え研究を行ってきた。2023年度は骨量ファントムを使用しCT値を補正したうえで、骨頭圧潰進行前の大腿骨頭壊死症例を有限要素解析ソフト:メカニカルファインダーを用いて有限要素解析を行った。寛骨臼の大腿骨頭被覆が小さい症例は大腿骨頭圧潰進行を認める割合が高いとの臨床研究が報告されており、寛骨臼形態が有限要素解析の相当応力に与える影響を検討した。 寛骨臼被覆は単純X線学的指標であるSharp角、Center-edge angle、ならびにCT評価による指標であるLateral center-edge angle、Anterior center-edge angle、Posterior center-edge angle、Anterior acetabular sector angle、Posterior acetabular sector angleを用いて評価した。有限要素モデルで大腿骨骨幹部を拘束条件として関骨に1000Nの荷重を加えて大腿骨頭に加わる応力を解析した。大腿骨頭前方被覆の指標であるAnterior center-edge angleと相当応力に正の相関の傾向を認めたが(r=0.697、p=0.055)、寛骨臼被覆と大腿骨頭相当応力の間に有意な関連を認めなかった。
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