2022 Fiscal Year Annual Research Report
変形性膝関節症の慢性疼痛化に対する疾患特異的マクロファージの作用の解明とその制御
Project/Area Number |
19K18523
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
星野 傑 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (70836923)
|
Project Period (FY) |
2020-03-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 膝慢性疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
ROAD studyの報告では軟骨変性を主体とする膝変形性関節症の罹患者数は日本国内の40歳以上で2500万人以上であった。その内820万人以上が膝の慢性疼痛に悩んでおり、日常の活動に制限が加わっていた。一方で、このように高い罹患率にもかかわらず,慢性疼痛発症の病態の科学的検証は不足している。さらに慢性疼痛発生の機序を解明する適切な研究モデルが無いため進行機序に基づいた疾患修飾型治療法は無い。炎症誘発物質(モノヨード酢酸)のラット膝関節内への注射は関節炎を誘発し、続いて骨軟骨破壊を起こすため、膝の慢性疼痛モデルとして知られている。しかし、関節内でどのような機序で関節炎がおき、、膝の慢性疼痛となっていくかは知れていない。ラット(Wistar rat,雄,8週齢)の膝にモノヨード酢酸を1.0㎎投与して細胞動態を調べた、細胞は浸潤と増殖は投与後1日目から始まり、特に5日目までに増殖していることが分かった。更に、細胞増殖は主に、滑膜浅層で起きていた。滑膜浅層の細胞は新たな浅層での増殖細胞により押し出される形で深層へと広がっていた。5-7日目にかけて細胞浸潤のあった滑膜細胞は線維化を認め、さらに血管新生、血管に伴走する神経の新生を認めた。インキャパスタンステストによる疼痛回避行動はこの間そして、その後へと継続しており、急性の炎症から慢性疼痛へと続いていた。同時期の細胞と組織の変化は急性の炎症が慢性疼痛へとなる機序の一旦と言える現象であると考察する。
|
-
-
[Journal Article] Effects of different surgical procedures for meniscus injury on two-year clinical and radiological outcomes after anterior cruciate ligament reconstructions. -TMDU MAKS study2022
Author(s)
Takashi Hoshino, Yusuke Nakagawa, Kei Inomata, Toshiyuki Ohara, Hiroki Katagiri, Koji Otabe, Kanehiro Hiyama, Kenta Katagiri, Mai Katakura, Hiroko Ueki, Masaya Hayashi, Tsuyoshi Nagase, Ichiro Sekiya, Takashi Ogiuchi, Takeshi Muneta, Hideyuki Koga
-
Journal Title
Journal of Orthopaedic Science
Volume: 27
Pages: 199~206
DOI