2023 Fiscal Year Annual Research Report
エーラス・ダンロス症候群における脊椎病変の病態解明・治療法の確立
Project/Area Number |
19K18532
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
上原 将志 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (30748108)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エーラス・ダンロス症候群 / 脊柱変形 |
Outline of Annual Research Achievements |
28匹の1歳マウス(Chst14-/-:12匹、Chst14+/+:16匹)を解析した。放射線学的解析のため、CTを用いて脊柱変形の有無を評価した。病理学的検査では、椎骨と椎間板の構造を染色して組織学的評価を行った。また、椎体の骨梁の面積比を測定した。 CT評価において胸腰椎移行部後弯変形をChst14--/-:6匹(50%)、Chst14+/+:2匹(12.5%)に認め、Chst 14-/-で有意に多かった(p=0.044)。病理学的評価において、椎間板変化は、Chst14-/-:7匹(58.3%)、Chst14+/+:3匹(18.8%)に認め、Chst14-/-で有意に多かった(p=0.049)。放射線学的脊椎変形と組織学的椎間板変化の一致率は89.3%であった。また、骨梁比は、Chst14-/-:24.6%、Chst14+/+:30.6%で、Chst14-/-で有意に小さかった(p=0.047)。 Chst14-/-マウスは、ヒトと同様に胸椎前弯を伴う胸腰椎後弯になりやすい傾向がみられた。組織学的に脊椎変形を有するマウスは、椎間板や骨構造に異常を有する傾向を示した。 臨床的研究の結果、筋拘縮型EDSに伴う脊柱変形は進行性で重度になることが多く、その外科的治療において易出血性による大量出血に対するマネージメントが重要であることが示唆された。また後側弯の発症が比較的早期であり高度変形を生じる可能性があるため、装具療法や外科的治療の適応時期を逸しないことが重要であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)