2022 Fiscal Year Annual Research Report
ペルテス病の関節予後に発症時年齢が強く関与する機序の検討
Project/Area Number |
19K18534
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山口 亮介 九州大学, 大学病院, 助教 (30826152)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ペルテス病 / 骨壊死 / 動物実験 / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
ペルテス病では発症時年齢が非常に強い予後因子であることは臨床的に広く認知されており、保存的治療と外科的治療の選択基準ともなっているが、その基礎的なメカニズムはこれまでほとんど検討されていなかった。本研究では、「ペルテス病による大腿骨頭変形遺残に発症時年齢が強く関与する理由は、年齢によって虚血性骨壊死後の修復過程における軟骨形成能や骨形成能が異なるためではないか。」という学術的「問い」に対して、以下の二つのアプローチで検討することが目的である。 ①ペルテス病MRIの三次元的軟骨性大腿骨頭の検討 ペルテス病患児で撮影されたMRI画像を用いて三次元的に構築された軟骨性大腿骨頭を評価し、発症時年齢および最終的な股関節予後との関連を検討する。軟骨性大腿骨頭評価用のMRI画像を取得し、MRI三次元的評価用アプリケーションの利用を開始した。MRI画像を解析した結果、ペルテス病では全方位性に軟骨が肥厚していることを三次元的に明らかとした。また、特に高年齢の症例では内外側の横軸方向への軟骨肥厚が有意に大きく、この軟骨肥厚が将来的に扁平骨頭の形成に働いている可能性を示唆する結果が得られている。本研究結果は国内および国際学会で研究奨励賞を受賞しており、今後英文論文として研究結果を公表する予定である。 ②骨壊死マウスモデルの修復過程における軟骨形成能、骨形成能の検討 骨壊死マウスモデルを用いて、年齢による修復過程時の軟骨形成能や骨形成能を検討する。手術用顕微鏡、麻酔器、手術器具、電気メス等を準備し、骨壊死マウスモデルを用いた動物実験を開始した。年齢による修復過程の違いに加え、オス、メスの違いによる修復過程の違いを検討している。
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Research Products
(10 results)