2022 Fiscal Year Research-status Report
高位脛骨骨切り術における荷重時CTを用いた3次元アライメント評価法の確立
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19K18536
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小林 真 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (50812228)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 荷重CT / 3次元アライメント / 骨切り |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では1.術前、術後半年、術後1年の患者で荷重位CTによる三次元的荷重軸を抽出すること、2.従来の立位X線評価に基づく荷重軸と三次元的荷重軸結果を比 較すること、3.術後1年での臨床成績と荷重位CTによる三次元的荷重軸結果を比較すること、4.三次元的荷重軸の至適値を決定することを目的としている。 A) 術前計測による評価:荷重位、非荷重位CTと立位全下肢単純X線評価の比較による関連性の評価。 2021年度までに、膝周囲骨切り術を行う患者51名を対象に、術前CT評価時に荷重位、非荷重位CTを撮影し、荷重-非荷重CT間の比較および術前荷重位CTと術前立位全下肢単純X線評価の比較を行った。前額面の評価では、従来の二次元的評価法と三次元的評価法の高い相関を認めた。また、下肢アライメントが内反(O脚)の場合は荷重にて内反が増加することも確認した。また、通常の内反変形膝においては、矢状面では、荷重にて屈曲が強まる傾向がみられた。 荷重CTにおける三次元的評価法が、従来からの二次元的評価法と同等に有用で あることを証明する結果となった。矢状面アライメントについては術前ー術後の荷重による軸変化が膝屈曲拘縮角と相関することを確認した。 B)術後骨癒合完了時点(術後約6ヵ月)における荷重位CTでの術前、術後荷重軸の比較検討:荷重位CTと立位全下肢単純X線評価の比較によるCTとX線の関連検討。 術後半年のCTは、金属ハレーションが強く評価不能であったため、中止とした。2022年度は、骨切り術後の患者15名に荷重CT検査を実施した。N数の関係で解析は行えていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はコロナ禍のため、患者数が伸びなかった。学会発表は中止が相次ぎ予定より遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウイルスの蔓延により軒並み学会が中止となり、旅費が減少したこと、患者数が減少し当初の予定通りに進んでいないことが挙げられる。次年度は予算が 実際には不足していたため、繰越をあてて通常通りの研究を行える予定である。 新型コロナウイルス(COVID-19)の影響が続いていることにより、今後も整形外科手術の減少が予想される。そのため、今後N数が落ち込むことが予想される。その場合は最終的なN数の削減、もしくは研究期間の延長にて対処する。また、当初予定していた術前、術後の変化を見るだけではN数の不足により至適アライメントの結論に至らないことが予想される。そこで、術前評価を行った 症例以外にも術後単独の評価症例を増やし、患者満足度評価との突き合わせによる至適アライメントの決定を目指す。
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Causes of Carryover |
コロナ蔓延により当初想定していた海外学会費、論文作成費を使用しなかったため繰越が生じた。当初の予定を1年延長し予定していた支出に充てる。
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