2021 Fiscal Year Annual Research Report
Novel treatment strategy for iatrogenic nerve root injury using adipose-derived stem cell
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19K18538
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高橋 真治 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (80735605)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脂肪由来幹細胞 / 神経 / 脊髄 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、実験動物として、白色家兎を使用。まずバイポーラ端子の方向性と端子から一定距離離れた位置での温度上昇を検討するため、家兎背筋筋膜上で、端子間距離1mm、25W、4秒間の条件下で バイポーラ焼灼を実施した際の温度評価を行った。焼灼後、経時的に神経を採取し、Luxol Fast Blue染色を用いて組織学的変化を評価した。また、予防法として焼灼の際に生理食塩水灌流を行った場合の温度変化および経時的組織変化を、加えて焼灼後にケナコルト(20μg/kg)を神経周囲に注入した場合の組織変化を評価した。 焼灼端子の垂直設置法では最大40.4℃±2.5℃に留まった温度上昇は、水平設置法では最大60.9℃±13.2℃に達した(p<0.01)。その条件下では、焼灼後1週の時点で47.8%に組織学的な神経損傷を認めた。生食灌流を用いると温度は最大42.7±4.6℃に留まり、経時的な組織学的評価においても神経損傷は認めなかった。一方でケナコルト局注では、神経損傷は25.0%までの軽減にとどまった。以上の研究結果から、神経根近傍でのバイポーラ焼灼による温度上昇は、組織学的な神経損傷を惹起し得ることが明らかとなった。その予防のために、バイポーラ端子の向きは神経根に対し垂直とし、平行にせざるを得ない場合には、生食灌流を併用する事が望ましい。 もう一つの研究として、椎弓切除のラットモデルを作製。コントロール、ヒアルロン酸シート群、脂肪由来幹細胞(ADSC)群、ヒアルロン酸シート+ADSC群を各10例ずつ準備した。神経根においてHE染色、クリューバー・バレラ染色にて脱髄の程度、血管障害を評価、Tunel染色にてapoptosisの評価を行う。周囲の癒着についてはHE染色とマッソントリクローム染色で評価する。現在計測中である。
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