2021 Fiscal Year Annual Research Report
An Effect Comparison of Osteoporosis Treatment on Spinal Instrumentation
Project/Area Number |
19K18544
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
石川 紘司 昭和大学, 医学部, 講師 (40794946)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 整形手術 / 脊椎手術 / 骨粗鬆症 / 薬物療法 / 合併症 / 投薬中断 / 骨癒合 |
Outline of Annual Research Achievements |
脊椎固定術で良好な成績を獲得するには強固な固定が必須であり、最も重要な要素がインプラントを挿入する土台にあたる「骨」である。この「骨」の状態を改善できる最も効果的な治療の1つが骨粗鬆症薬物療法であることがこれまでの研究結果より分かってきた。 多くの種類の骨粗鬆症薬が登場しているが、それぞれ薬理作用が異なる。その違いにより骨粗鬆症治療のみではなく、手術に及ぶ効果・影響も異なることが分かった。興味深い点は、治療継続中は非常に効果の高い、Denosumabは治療中断後に急激な骨密度の低下を及ぼし、インプラント固定力にも影響は波及しかねないことが判明した点だ。この点に関しては基礎的なメカニズムの解明にも着手し、論文投稿中である。また、同様の薬剤であっても特定の前治療歴のある患者ははじめて治療を開始した患者と比して効果が劣ることも報告した[Tsuchiya K, Ishikawa K*, Bone Rep.2021;14:101090]。上記を踏まえ、今年度は、世界で初めて本邦で承認されたRomosozumabを重点的に解析してきた。これまでの解析では25例程度の解析であったが、60-70例程度のデータを収集することができ、解析もほぼ終了した。結果は、これまでの薬剤とは薬効が確認できるタイミングが非常に早く、効果も非常に優れることが分かった。こちらに関しては現在、論文投稿準備中である。「治療開始後早期に薬効を発揮する」点は、長期的に待機することができない整形外科手術においても重要な要素になりうると考えており、世界的にインパクトのある結果であると考えている。実際、研究結果は国際学会で高い評価を獲得し、計3か国の国際学会で本研究に関する招待講演を行った。現在、海外の研究機関と共同研究を進めており、今後はテーマをさらに発展させ、国際的な視点で研究活動を継続していきたい。
|
Research Products
(12 results)