2020 Fiscal Year Research-status Report
局所投与かつ局所保持可能な理想的な細胞・成長因子送達法による骨欠損治療法の確立
Project/Area Number |
19K18546
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Research Institution | 湘南医療大学 |
Principal Investigator |
関口 裕之 湘南医療大学, 臨床医学研究所, 研究員 (90547233)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 局所硬化ゲル / ヒアルロン酸 / デキストラン |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までにヒアルロン酸を主骨格とした局所硬化ゲルを用いた骨欠損治療法の有用性を明らかにしてきた。本年度は最適なゲル組成を探索すべく、デキストランを主骨格とした局所硬化ゲルの有用性を検討した。9週齢雄性C57BL/6Jマウスの右大腿骨にマウス専用創外固定器を設置後、骨幹部中央に約2 mmの骨欠損を作製し、広範囲骨欠損モデルとした。ゲル剤はデキストランを主骨格、チラミンを架橋基とし、過酸化水素水と混和すると硬化するものを用いた。骨欠損のみの群(defect群)、骨欠損部に局所硬化デキストランゲルのみを投与した群(Dex群)、骨欠損部にBMP-2(2μg)含有PBSを投与した群(PBS/BMP群)、骨欠損部にBMP-2(2μg)含有局所硬化デキストランゲルを投与した群(Dex/BMP群)を作製した(各群n=10)。また、positive controlとして昨年度効果が認められたBMP-2含有局所硬化ヒアルロン酸ゲルを投与した群(HA/BMP群)を作製した。術直後および14日後に軟X線撮影(Xp)を行った。術後14日で屠殺して右大腿骨を採取後、micro CTを用いて骨欠損部における骨量(BV)と骨塩量(BMC)を測定した。また、組織学的検討を行った。Xpおよび組織像では、Dex/BMP群、HA/BMP群およびPBS/BMP群で新生骨の形成を認めていたが、HA/BMP群の方がより旺盛だった。defect群およびDex群では新生骨形成はほとんど認められなかった。HA/BMP群は他群と比較してBVおよびBMCとも有意に高値だった。本研究結果から局所硬化ヒアルロン酸ゲルはBMP-2の徐放、骨欠損治療に適しているものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨欠損治療に有用な局所硬化ゲル組成を明らかにしており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
徐放特性およびゲル投与後の生体内分布を明らかにする。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響で研究試薬が一部の納品されなかったため、次年度使用額が生じた。次年度に使用する予定である。
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