2019 Fiscal Year Research-status Report
前立腺癌の去勢抵抗性獲得におけるCD105が関連する内皮間葉分化転換の役割
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19K18556
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
加藤 学 三重大学, 医学系研究科, 助教 (60626117)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血管内皮間葉移行 / 神経内分泌性分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主題となる血管内皮-間葉(線維芽細胞)移行をvitroで再現するために種々のサイトカインでの誘導実験を試みた。まず、安定して血管内皮細胞を培養し、繰り返しの凍結、継代が可能であった。これにより複数回以上の実験検討が可能となった。現時点でも培養が難しいとされる血管内皮細胞のストックを作成し使用が可能である。前立腺線維芽細胞は当院での前立腺生検を施行したヒト検体から初代培養した線維芽細胞を使用した。こちらも培養が一般的に困難とされる線維芽細胞もLONZA社製の培地、にて細胞増殖が観察され継続しての継代、凍結が可能であった。線維芽細胞から産生されるとされるサイトカインの測定はELISAにて検出を試みている段階である。特定のサイトカイン、増殖因子添加により線維芽細胞様の変化を誘導することができた。この時点では血管内皮細胞上の蛋白発現の減少、線維芽細胞でみられるマーカーの上昇を蛋白レベル(蛍光免疫染色法)、mRNAレベル(リアルタイムPCR法)で確認した。(αSMAやCD44など)さらに線維芽細胞様に変化させた血管内皮細胞(7日間培養、共通培地としてのRPMI培地)と、前立腺癌細胞株との共培養実験を行い、共培養後2日目にて前立腺癌細胞が神経内分泌分化を生じた際に発現される細胞内マーカーの発現上昇を確認した。(蛋白レベル(蛍光免疫染色)、mRNAレベル(リアルタイムPCR法)で確認した。)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血管内皮細胞の培養が順調に行えたこと、血管内皮細胞の分化実験が可能であったこと。
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Strategy for Future Research Activity |
線維芽細胞様に変化した血管内皮細胞と共培養した前立腺癌細胞株のmRNAを用いて深海内分泌分化に関連するマーカーに関してカスタムプレートでのリアルタイムPCRを予定している。(15種類) 神経内分泌変化の誘導を確実に起こしていることを確認したのちに血管内皮細胞からの液性因子の同定に向けてさらに網羅的解析を行っていく予定である。
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