2022 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌の去勢抵抗性獲得におけるCD105が関連する内皮間葉分化転換の役割
Project/Area Number |
19K18556
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
加藤 学 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (60626117)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 内皮-間葉転換 / 前立腺癌 / 神経内分泌分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、前立腺癌の周囲に存在する血管内皮細胞のホルモン治療に伴う内皮-間葉転換(EndMT)の機構を検討し、どのようなメカニズムでEndMTが前立腺癌上皮細胞の神経内分泌化に影響しているか、細胞相互の生物学的特性(分泌する液性因子、細胞表面マーカー等)を検討し、どのように段階的に前立腺癌の神経内分泌化を促進するかを、分子生物学的手法、さらに動物実験により解析している。ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(Human Umbilical Vein Endothelial Cell; HUVEC)に、IL-1β/TGF-β2を添加することで、HUVECのEndMTが誘導される(Tacia TA, et. Al. Cell Prol, 2019)。このEndMTを誘導したHUVEC(HUVECEndMTed)では、内皮マーカー(CD31, CD34, CD144)の発現が低下し、間葉系マーカー(CD105, TGLN, CNN)の発現が上昇することが確認された。HUVECEndMTedと前立腺癌上皮(LNCaP)を共培養することで、共培養したLNCaPにおいて神経内分泌化マーカーであるChromogranin Aの発現上昇を認めた。共培養後のLNCaPの遺伝子網羅的解析において、Synaptophysinなどの他の神経内分泌化マーカーの上昇もみられた。また、ヒト神経内分泌化前立腺癌検体において、蛍光二重免疫染色により血管内皮細胞は神経内分泌化した前立腺癌細胞と近接していることがわかった。以上のことより、EndMTを誘導したHUVECは、LNCaPの神経内分泌化を促進する可能性が示された。 すでに泌尿器分子細胞研究会での報告を行い、2023年9月の日本癌学会にて発表を予定している。
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Research Products
(1 results)