2019 Fiscal Year Research-status Report
前立腺癌のSuper-Enhancerを介した増殖の分子機構の解明と治療への応用
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19K18557
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
永澤 誠之 滋賀医科大学, 医学部, 医員 (30750525)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 前立腺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺癌細胞株のSuper-enhancer(SE)プロファイルの比較を行い、細胞株特異的なSEプロファイルの検討を行うことで、ホルモン依存性のない細胞株でのSuper-enhancerは、細胞の増殖より転移などに関連することが示された。そこで、Super-enhancerを特異的に阻害するBRD4阻害薬 JQ1を用い、それぞれの前立腺細胞株においてJQ1投与にて遊走能や浸潤能が変化するかについて検討を行った。migration assayを用いて細胞の遊走能を検討した結果、ホルモン依存性であるLNCaP前立腺癌細胞株ではJQ1による遊走の明らかな低下は見られなかったが、ホルモン依存性のないPC3前立腺癌細胞株ではJQ1によって細胞の遊走が有意に低下した。この結果は、細胞の遊走能を反映するWound healing assayにおいても同様の傾向を示した。次に細胞の浸潤能について検討するため、Invasion assayを行った。LNCaPでは、JQ1による浸潤の明らかな低下は認めないものの、PC3では有意に浸潤能が低下した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前立腺癌細胞株のSuper-enhancerプロファイルの比較から、ホルモン依存性のない細胞株でのSuper-enhancerは、細胞の増殖より転移などに関連することが示され、それと同様に遊走、浸潤能が低下することが示された。しかしながら、in vivoでの検討については、まだ行えておらず、また、YY1についても検討が行われていない。
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Strategy for Future Research Activity |
ホルモン非依存前立腺癌細胞株PC3移植マウスの作成とJQ1の機能解析 4-6週齢のヌードマウスにPC3を皮下注射し、上記処置にてXenograftマウスを作製する。腫瘍播種後、JQ1、もしくはDMSOを腹腔内に投与する。治療開始後6週間で、Xenograft組織、マウス各臓器の転移の検索を行う。 次に転移モデルを作成するために、4-6週齢のヌードマウスにPC3を尾静脈より静脈投与し、肺転移モデルを作製する。投与1週間後より、JQ1、もしくはDMSOを週5回腹腔内に投与する。治療開始後6週間で、マウスの肺組織、またマウス各臓器の転移の検索を行う。
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Causes of Carryover |
旅費がかからなかったため、次年度使用額が生じた。2020年度には学会発表を予定しており、それらにて使用予定である。
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