2019 Fiscal Year Research-status Report
PDXを用いた難治性尿路上皮癌の病態解明と開明的な薬剤耐性メカニズムの解明
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19K18562
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
福原 弥生 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 学術研究員 (10632490)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | PDX / 尿路上皮癌 / 微小乳頭癌 / Histological Variant / Micropapillary variant |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性尿路上皮癌の病態解明と薬剤耐性メカニズムの解明を行うために2019年度は尿路上皮癌のPatient derived Xenograft(PDX)モデルの作製に取り組んだ。その中で治療抵抗性で予後不良であるHistological VariantのMicropapillary-variantモデルについて中心に研究を進めた。Micropapillary-variantモデルは遺伝子変異解析、リン酸化アレイ解析からEGFR,HER2,HER3が活性化していることが示唆された。PDXモデルから96wellプレートを用いたスフェロイドモデルで従来の抗がん剤であるシスプラチン、ゲムシタビン、パクリタキセルに加えてEGFR阻害薬のAfatinibを用いたところ、Afatinibが濃度依存性に抗腫瘍効果を示した。Micropapillary-variantPDXモデルを用いてAfatinib経口投与を行ったところ抗腫瘍効果を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で、実験計画の「PDXを用いた難治性尿路上皮癌の病態解明と開明的な薬剤耐性メカニズムの解明」のうち、網羅的な遺伝子変異及びリン酸化解析から治療抵抗性で予後不良であるHistological VariantのMicropapillary-variantモデルの有効な治療法の1つとしてAfatinibが期待される候補として示唆された。現在、RNAシークエンスを行っており、Micropapillary-variantモデルの中で重要な遺伝子発現を解析中である。これらの成果は2020年日本癌分子標的治療学会で発表する予定であり、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
尿路上皮癌を中心としたPDXモデルをさらに進めていく。網羅的な遺伝子変異・発現解析を通じて、PDX腫瘍の特徴を理解し、有効な治療薬の選択を行っていく。特に有効な治療法がないMicropapillary-variantモデルにおいては様々な化合物を用いたハイスループットスクリーニングを行うことで有効な治療薬候補を挙げる予定である。さらに網羅的な遺伝子変異・発現解析から薬剤抵抗性因子や感受性因子の探索する方針である。 またMicropapillary-variantモデルのオルガノイド培養モデルを樹立し、細胞骨格や極性の変化をライブイメージング法で解明する方針である。治療薬の探索と病態の理解を行っていくことで臨床応用を考えていく予定である。
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Causes of Carryover |
3月に納品されたが、4月に支払いとなるため次年度使用額が生じた。 4月に支払いが完了となる予定である。
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