2020 Fiscal Year Annual Research Report
PDXを用いた難治性尿路上皮癌の病態解明と開明的な薬剤耐性メカニズムの解明
Project/Area Number |
19K18562
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
福原 弥生 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 学術研究員 (10632490)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | PDX / 尿路上皮癌 / 微小乳頭癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の研究成果は次世代シークエンス法から得られた網羅的な遺伝子変異・発現解析結果から、Micropapillary-variantモデルの特徴を理解し、有効な治療薬の選択を行ったことである。また、患者由来の手術検体から樹立したPatient Derived Xenograft (PDX) model法を用いてMicropapillary-variantモデルを2系統樹立した。化合物ライブラリーを用いたハイスループットスクリーニング (HTS)を行い、次世代シークエンス法の結果からバイオインフォマティクス解析の結果を通じて治療薬候補薬となりうる化合物を数種類同定した。薬剤感受性試験を行い、低濃度で抗腫瘍効果を認める化合物を同定した。さらにPDXモデルを2系統樹立し、in vivoでの薬剤投与による抗腫瘍効果を検証し、低濃度で抗腫瘍効果を認める化合物を同定した。 本研究は希少癌であり標準治療法では難治性Histological VariantのMicropapillary-variantモデルを中心に研究を進めた。適切な治療モデルがないことから、独自で疾患モデルを作製し、次世代シークエンス法、リン酸化アレイ解析、化合物ライブラリーを用いたHTSから治療薬候補薬となりうる化合物を数種類同定した。MPUCにおける分子病態的な特徴を明らかにし、HTSを通じてドラッグリポジショニングを行うことで本研究にて治療法がない症例についての患者由来の組織を培養し、より効果のある治療薬を選択した治療選択が可能となると考えている。本研究は標準治療法がない希少癌に対する新規治療法を同定するための研究手法を行ったことに関して重要な意義があると考えられる。
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