2019 Fiscal Year Research-status Report
光化学反応を用いた脳梗塞モデル動物の作成と排尿障害発症機序の解明
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19K18568
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
太田 裕也 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (20814255)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | photothrombosis / 脳梗塞 / 排尿障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
Photothrombosisを用いた脳梗塞ラットを作成した。11週齢の雌Wister/STラットを使用。麻酔下にラットを定位脳固定台に固定し頭皮を2.0cm正中切開、頭蓋骨膜を丁寧に取り除き、冠状・矢状縫合線を同定。冷光源繊維ケーブルをブレグマから2mm前方で設置し、ローズベンガル(90mg/ml/kg)を尾静注。560nm 波長レーザーで45分間頭部を照射した後に切開部を縫合した。当初はローズベンガル濃度を30mg/ml/kgでレーザー照射は20分で行っていたが、脳梗塞範囲が小さく神経障害が長期間持続しなかった。そこでローズベンガル濃度上昇と照射時間の延長を行った。対照群ではローズベンガルを投与するがレーザー照射はせずに同様の手技を施行した。Photothrombosis前、day1,7,14,28日目に体重測定と運動機能評価としてModified neurological severit score(mNSS)を測定した。また、尿流動態検査として膀胱内圧測定を行った。麻酔下に膀胱腹側にあたる表皮を切開し膀胱頂部に内径0.8mm、外径1.3mmのポリエチレンカテーテルを留置し膀胱内で固定し閉創。代謝ゲージ内で覚醒し100μl/minで生食を注入し排尿間隔、最大膀胱収縮圧を記録した。脳梗塞ラットではsham群と比較し有意に頻尿となっていた。その後、膀胱を摘出し重量測定した。ホルマリン灌流固定後に除脳してHE染色により前頭葉に脳梗塞ができていることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り脳梗塞ラットの作成できた。当初は脳梗塞範囲が小さく神経障害が持続しなかったためモデルとして成立しないと考え、脳梗塞範囲を拡大するように調整した。具体的にはローズベンガル濃度の上昇と照射時間の延長を行った。膀胱内圧測定も行い排尿間隔と最大膀胱内圧を測定し脳梗塞ラットでは頻尿を確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
脳梗塞範囲についてHE染色で詳細な検討い、梗塞範囲と排尿状況の変化を解析する。 また、分子生物学的解析として、膀胱上皮からの神経伝達物質であるNGFやムスカリン受容体の発現を検討する。
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Causes of Carryover |
脳梗塞による排尿障害発症機序の 解明を行うため、初年度にはIPhotothrombosisを用いた脳梗塞ラットの作成をおこなった。試薬や動物を無駄なく発注したこと、実験助手への謝金が当初の予定より小額となったことから、次年度使用額が発生した。脳梗塞病変確認のため運動機能評価と脳薄切切片の神経染色に有効に使用していく。
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